先日グロービス・ビジネス・フォーラム(以下GBF)というイベントを東京で開催した。これはグロービス主催のイベントではなく、グロービスの受講生仲間数名と企画したイベントだった。
対象を社会人10年目以下に絞り『やりたいことをやるために』と題し、キャリアを考える場を創るということを目的とした。そして、トレンダーズの経沢社長、ウィルシードの船橋社長をお呼びして11月11日にイベントを開催したのだが、100名を超える方々にお集まりいただいた。
今回のコラムでは、そのイベントの模様をお届けしたい。
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キャリアを真剣に考え始めたのはいつだろう?
やりたいことをやるためにはキャリアを考えなければならない。
では、自分のやりたいことってなんなんだろう?今の仕事がやりたいことなのか?起業をしたいのか?マネジメントに立ちたいのか?スペシャリティで勝負したいのか?
今回のGBFでは、起業という選択をしたウィルシード船橋さん、トレンダーズ経沢さんにパネラーとしてお越しただいた。僕自身お聞きしていて一言一言が心に響いてきた。
■「やらされている仕事」より「やりたい仕事」
船橋さんは「伊藤忠での仕事にどのような不満があったのか?」 という質問に対してこう答えた。
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船橋さん(以下 船):
「伊藤忠の仕事ではビッグプロジェクトと言われるような仕事をやっていた。でも、この仕事をするのは自分ではなくてもいいのではないか、と常に思っていた。俺しかできないことをやりたい、自分のオリジナリティを出したいと思っていたが伊藤 忠の仕事ではできていなかった。」
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経沢さんは「大企業からベンチャーへの転職について躊躇はなかったのか?」という質問に対してこう答える。
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経沢さん(以下 経):
「自分を成長させたかった。成長させるためにはどこでもよかった。リクルート時代は我慢して仕事をしていた。安定という概念よりも成長したい。安定感は自分の中にあると思う。自分が強ければいいはず。」
「リクルートでは営業の回転速度を高めることばかりが目的になっていた。仕組みに踊らされるのではなく、仕組みを創る仕事をしたいと思った。ベンチャーに入ってみてわかったが、東京ドームで野球をすることと、野球場をそのものを創ること、それぐらい仕事は違った。仕組みを創ることは面白かった。」
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お二人とも「やらされている仕事」や「属している会社」ではなく、「やりたい仕事」や「自分」を軸に考えている。自分はいったい何がやりたいのか?これを考え続けてきたのだ。
■やりたいことをやるために
船橋さんは「やりたいことが見えてきた時に実現する方法がわからなかった」そうである。でもそのときにアクション取った。
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船:
「やりたいことを具現化する方法を見つけるために、まず色々な人に会って尋ねようと決めた。そして、時間を作り、朝昼晩人に会いつづけた。ある日ある方にお会いすると「自分でやりなさい。」と言われた。そのとき初めて起業ということを考えた。」
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経沢さんはベンチャーからフリーになり、自分のできることをサービスとして提供し始めたのが今のトレンダーズの原点だと言う。
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経:
「明確にこれをやろうと思って起業したのではない。自分らしくありたいと思いフリーランスとなった。フリーでできるサービスを少しずつパッケージ化していった。やり続けていくうちに使命感が生まれていった。」
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お二人に共通するのは、「思い」が生まれて「行動」をし「習慣」を変える。そして、「人生」が変わっていく、ということだ。
■聴衆へのアドバイス
船橋さんからは「行動を起こすこと。」というシンプルなメッセージだった。
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船:
「自社のビジネスゲームを学校で展開しているので、子供に接する機会が多いが、子供たちに『失敗おめでとう。答えはひとつではない。得意を伸ばそう』と言っている。これは僕らにもあてはまること。どんなことでもいい。行動を起こすことが大切。」
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一方で経沢さんは「自分と向き合うこと」と言う。
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経:
「私は自立して生きていくには、ということを考えて続けていた。だから自分と向き合ってみた。そういう時間を作ることも大切。トレンダーズを起業してから日記を書いている。こうありたいと毎日書いていると、自分が変わっていける。また、会社を辞めてみるのも1つの選択肢。」
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お二人からはここでお伝えしきれない面白い話やパワーをいただいた。熱心に語りかけてくれたお二人に感謝している。
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名古屋でも受講生のネットワークの中で、このような動きを皆さんと一緒に創っていきたいと思う。
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