今日は存命であれば父の還暦の誕生日である。残念ながら父は45才の時に亡くなっている。
その際は私は中学生であった。まだまだ人の死ということを受け止められなかった。当時を思い返すと、父の死を理解ができなかったというのが正直な感想である。
その後数年経ち、社会に出て自らを振り返ると、父の死から2つのことを学んだ、とに思うようになった。
1つが自立心である。父の死を受け、誰に言われたわけでもないのだが、自分で自分を支えなければならない、と思うようになった。それができないと家族に負担がかかってしまうのではないか、ということを考えていた。もちろん、経済的に自立はなかなかできないし、料理もできないので、完全に自立はできない。ただ、心持ちとしては自立しなければならないと十代の頃から思っていた。
もう1つが生きるということには限りがあるということを知ったことである。父の死を目の当たりにし、人にはいつか死が訪れるということをリアリティを持って知った。決して悲観的に考えているわけではなく、人生は有限だからこそ、その間を充実させていきたい、そう思うようになった。
父の死があったからこそ、このような学びを得ることができた。
ただ、今思うのは、そのような学びを得る経験は別でできたらよかったのに、ということだ。
60才になった父と酒を飲みながら語り合うことができたらいいなぁと思う。一緒に酒を飲んだらなんと言われるだろう。父から「よくやっているなぁ」とほめられたり、「生意気言うな」と怒られたり、昔を思い出して笑ったり、そんなことができたらいいなぁと思ったりする。
残念ながらそれは叶わない夢だ。いつかあの世で実現するかもしれないが・・・。
最近お墓参りに行っていないので、今度時間をつくって行こうと思う。
井上さんのお父さん、誕生日おめでとうございます。
息子さんは今、たくさんの人に勇気と希望を与える素晴らしい仕事をされていますよ。
良い仲間にも恵まれているみたいで、とても生き生きした毎日を過ごしているようです。
安心してゆっくりそちらの世界で見守ってあげてください。
投稿情報: 多夢郎 | 2005-09-17 17:39