「ハーバード大学教授がこっそり教えるあなたの天才の見つけ方」という本を読む。同書はハーバード大学の心理学部教授であるエレン・ランガー女史による本である。
同著はタイトルだけ見ると、人の強みを見つけるとか、その人の特徴を捉えるというように思ってしまうがそうではない。この本は、物事への自由な心の持ちよう(心理状態)の必要性について教えてくれる。それをこの本では「マインドフルネス」と言っている。
マインドフルネスな心理状態は以下のような特徴があると指摘している。
-新しいものに心が開かれていること
-物事の特徴に敏感であること
-状況の違いに敏感であること
-いろいろな視点があり得ると意識していること
-「今」を大事にすること
つまり、柔軟な思考であるということだ。状況に対応するたった一つの回答を導き出すのではなく、与えられた情報に対するいくつもの見方を認識して、それらの中から選択していくという思考である。
私は物事を多面的に見ようと意識しているのだが、上記のポイントは普段心がけていることとかなり近い。
同書ではさらに「答えが正しいか間違っているかを決めるには、その答えを評価する状況を固定化しなくてはならない。例えば、二点間の最短経路は直線である、ということは幾何では正しいが、家から銀行に向かう最短経路を考えると、話はそれほど単純ではない。」と言う。
現実世界はまさに家から銀行に向かう経路を考えるようなことが大半なわけである。だからこそ、人生や仕事には正しい答えがあってそれを探さなければならないと考えるのでなく、世界を組み立てる方法はいろいろあって、自由に発想を広げて、自分の考えによる世界観を創って構わないんだ、ということを教えてくれる。
自分の考えとかなり近かく、また、それを体系的にまとめてくれているので一気に読み終えてしまった。良い本であった。
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