夜にTVを見ていると舞台演出家蜷川幸雄さんと女優鈴木杏さんがイタリア・ヴェローナに旅するドキュメンタリーをやっていた。
蜷川さんはご存知の方も多い舞台演出家である。そして、その蜷川さんが演出した「ロミオとジュリエット」のジュリエット役として鈴木杏さんが出演している。
ヴェローナには観光地として再現された「ジュリエットの家」等のロミオとジュリエットにまつわる場所があり、そこに二人が訪れていく。
このドキュメンタリーの最後の方に出ていた蜷川さんの言葉が印象的だった。
それは、「僕は昔ロミオとジュリエットを演出したときに、このヴェローナに訪れたことはなかった。でもそれがよかったと思う。もし訪れたことがあれば、目にしたヴェローナに縛られてしまい面白いものはできなかった。見たことがなかったから、自由に発想することができた。」という言葉である。
我々は物事を知ってしまうと固定概念が生まれ、どうしてもそれに囚われてしまう。そんな固定概念を超越したところにこそ創造性があるのだ、ということを蜷川さんは言わんとしているのだ。
囚われない心で思いっきり自由に発想する、ということが創造性の根っこだということだ。
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