先日とある同僚から「私の友人が井上さんのブログを読んで参考にして本を読んでいるそうです。」と言われた。その割には最近読んだ本の紹介をできていなくて少々反省している。
ということで今回は最近読んで感銘を受けた本を紹介したい。お勧めしたい本は「Leaving Microsoft to Change the world」である。この本は、今年の正月休みにアメリカに行ったのだが、その帰りのトランジットで立ち寄ったシカゴの空港で発見した本である。
実はこの著者のJohn Woodについては存在は知っていた。以前TVでその存在を目にはしていたのだが、具体的にどのようなことをやっているかは本を読むまでは知らなかった。
彼はKelloggでMBAを取得した後、Microsoftに入社し、マーケティングディレクターとして活動していた。休みに行ったネパール旅行で立ち寄ったとある学校で「うちの学校には図書館はあるけど本が全然ないのです。持ってきてくれませんかね?」とお願いされることから物語りは始まる。
友人達に事情を説明した上で「もしもよかったら本を送って欲しい」という依頼のメールを書いて送ると、沢山の本が家に集まってしまった。そして、それをネパールに届けると子供達から大歓声で受け入れられ感動する。
そして、その活動自体に意義を見出して「Room To Read」という団体を設立し、本を届けるのみならず、学校や図書館、パソコン教室を作る支援や、女性向けの奨学金プランを提供している。
John Wood、そして、Room to Readがすごいのは実績である。07年9月の段階で287校の学校、図書館も3,870箇所も設立している。そして、2020年には1,000万人に学びを提供するというビジョンを掲げ日夜まい進している。
この「Leaving Microsoft to Cange the World」を読むと、純粋に人を助けたいという動機・想いということの強さ、ということと、明確なビジョンを持つことの大切さ、そして、結果を示すことの意義、について再認識させられた。
・純粋に人を助けたいという動機・想いということの強さ
John Woodの冒険はたった一通のメールから始まる。困っている人がいるから助けたいんだ、というメールが周囲の共感を生み出し”コト”が動き始めていく。そして、動き始めたコトに思いを持った人が力を注ぎ始めると、ますます多くの人が巻き込まれていく。もともとの想いが純粋だからこそ、人は共感をしていくことができるのだろう。
・明確なビジョンを持つことの大切さ
ただ、その純粋さだけでは大きなインパクトを世の中に与えることはできない。JohnはMicrosoftやMBAでの経験からビジョンの重要性を認識していた。従い、期限を切り、いつまでに何を実現したいのか、ということを明確にする。その上で、周囲の人たちにそのビジョンを語りかけ、輪を広げていくことができたのである。
・結果で示すことの意義
Johnの成功のもう一つのポイントは、結果を示し続けていくということである。寄付をもらって学校などを建てるのだが、それがどのように使われたのかがわからないと寄付の出し手にとっては実感を得ることができない。なので、できる限りビジュアルでわかるように結果を示すことを欠かさない。それにより、実際に正しく使われていることがわかるため、さらに寄付が集まっていくという構図になっていったのである。
昨今社会起業家という存在が注目されているが、その代表的な事例となるのではないか。ご興味のある方はぜひ呼んでみるとよいだろう。
井上さん
興味深い本をご紹介いただきまして、
ありがとうございます。
ブログの内容もさすがグロービスの先生ですね!
とってもわかりやすかったです。
じつは、青井先生のマーケティング講座を受講したことがあります。
私にないものが沢山見つかりそうなので、
またお邪魔致します!
投稿情報: http://visionaryandlove.blog53.fc2.com/ | 2009-03-12 23:09
http://www.cccjp.org/
こんなイベントもありますよ!
投稿情報: 今一生 | 2008-06-30 15:05