本日はグロービス名古屋でエリジオンの小寺社長をお招きしてセミナーを開催した。
小寺さんにお会いしたのは今から2年半ほど前だろうか。GMS受講生のとある方にご紹介いただいた。そして、グロービスのビジョンについて説明すると大変関心いただき、社員をGMS受講させる人材育成の仕組みを作っていただいた。その際に、同社の説明をしていただいたのだが、他にはない面白いビジネスを展開している会社であり強い印象が残っていた。
今回はその小寺社長にセミナースピーカーをお願いした。そして、セミナーではエリジオンのユニークな戦略や技術、組織体制について余すところなく語っていただいた。
日本企業にはソフトウェア会社が約8万社あるそうである。その8万社のうち、自社でソフトウェアを開発しているのはたった1千社だそうだ。大半が大手の請負仕事のため、付加価値が低く、結果、ソフトウェア産業は収益性が悪い。だからソフトウェア開発者になりたいという人はいなくなってしまうと小寺社長は考えた。
そのような産業を客観的に評論するのではなく、エリジオンという会社を通じて新しいモデルを作っていこうと考え会社経営をはじめたそうだ。3Dの立体データの互換性を作るソフトウェアを開発し、特定セグメントでグローバルなシェアが圧倒的No.1となり、収益性も抜群で社員の給与水準は驚くほど高い。
このように、会社としては大きな成功を納めている小寺社長であるが、日本国については憂いを持っている。
志がなく私利私欲に走る国会議員、国民のためにモノを考えることができない国家公務員、法人税率が高いビジネス環境、リスクを取らない銀行員、社員に報いると口ではいうが給与アップをしない経営者などなど、小寺さんが見てきた現実を引き合いに出して変革の必要性を語る。そして、一人ひとりがリーダーとなり日本の変革を進めていく必要がある、というメッセージを最後に聴衆に熱く語っていただいた。
語っているうちに熱くなっていく小寺社長からエネルギーをもらい、私自身も情熱がみなぎってくるような感覚になった。
セミナー後は近くのお店で懇親会でご一緒したのだが、情熱的なところだけではなく、気さくな一面も見せていただき、人間としての深みを感じさせられた。
小寺さんとご一緒して私が思い浮かんだのは「自由自在」という言葉であった。小寺社長は自らが思うがまま自由自在に行動している。ただ、当然ながら自由自在になるために徹底的に考え、死に物狂いで努力をされている。
そのような姿勢を感じ、私自身学ぶべきところが多く、考えさせられる1日であった。