これまでの仕事の引継ぎを終え、名古屋校開校プロジェクトの最初の仕事はグロービス最高経営会議(EC:Executive Committee)からオーソライズを取り付けることであった。
グロービスでは堀がGOといってもECの承認がなければプロジェクトとして始動できない。つまり、ここでNOという判断もあるわけだ。
ECという場でプレゼンをするのは初めての経験であったが、そこはプレゼンをするというよりは議論をする場といった方がいい。
数分のプレゼンのあと、様々な角度から質問が出る。累損を解消できるのはいつ?、本当にできるのか?、売上予想は?、人員計画は?などなど。
予想PLに不備があってヒヤッとする瞬間もあったが、自分たちの考えを粘り強く話すことができた。
最終的にGOという結論をECメンバーから激励の言葉とともにもらい、我々はその場から退出した。
全身に安堵感が漂ったが、この瞬間からプロジェクトリーダーとしての実力が問われることになる。改めて気を引き締めた。
自分がこのプロジェクト・リーダーという器に値するのかはわからない。これまでも仕事や部活でリーダーになることはあったが、実は、望んでリーダーになったことはあまりない。今回も自らが手を挙げたのではなく、自然にそのような役割が降ってきたような感覚だった。
ビクトール・フランクルというアウシュビッツから生還した精神分析学者は「人生とは、人生からの問いに応えるプロセスである」と言っている。
僕にとって名古屋校開校プロジェクトは人生からの問いに違いない。
だから、その問いに応えるべく自分のベストを尽くそう。
そう、改めて決意した。