GMSを名古屋に立ち上げるにあたって進めていきたかったことはセミナーの開催である。現段階では、まずGMSの認知度を拡大させていきたいからだ。そのためにトップの声を直接多くの人に伝えられるセミナーを行いたいと思っていた。そこで、7月2日に「名古屋校開校記念セミナー」を開催することを決めた。
パネリストには、これまでのグロービスのネットワークを活用し、ポッカの内藤社長、ワークアプリケーションズの牧野CEO、トヨタ自動車とリクルートの合弁のオージェーティーソリューションズ海稲専務、ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー上坂編集長、グロービス代表の堀義人に決まった。
どれくらいの方々にお集まりいただけるかとても不安だった。会場は200人弱が入れる大きなホールをお借りした。お集まりいただけるか不安であったが悩んでも仕方がないので、集客のために名古屋を駆け回った。
一方で、この開校記念セミナーだけではなく、さらに何か手を打てないかと思っていた。せっかく堀が名古屋入りするのである。この機会により多くの方々に堀からのメッセージを伝える機会を作りたいと思った。そこで、開校記念セミナーだけではなく、その周辺の時間を使ってセミナーを開催できないかと考えた。
開校記念セミナーを企画している段階で名古屋商工会議所に訪問していた。アポなしで訪問すると窓口の方に中部ニュービジネス協議会(CNB)の方をご紹介いただいた。こちらの趣旨をお話しすると偶然にもCNBの年次総会が7月1日に開催され、会員が約100名参加するとのこと。ニュービジネスという名であるが、会員は中部エリアの中核企業のトップや新規事業開発室の室長クラスが多い。とてもよい機会だったので、その総会で堀にスピーチさせてくれないか、と依頼をする。数日後、「ぜひお願いしたい。」という返事がきた。
セミナー1件獲得である。
次にターゲットを絞っていたのはベンチャー関連だ。友人が名古屋でベンチャー企業を興したのだが、その友人にベンチャーサポート団体の東海ビジネスドットコムを紹介していただく。 彼らは中部エリアのベンチャー企業に対して、様々なネットワークや研修プログラムを紹介している。現在登録企業数は400近くに及ぶ。
その事務局にもアポなしで訪問する。すると先方もグロービスのことをよくご存知で意気投合することができた。後日改めて訪問すると「実はベンチャー企業の社長向けの朝食会を開きたいと思っているんです。」という話だった。 「でしたら、弊社の堀を連れて行きましょう。」と言うと、「いいですね~。ぜひお願いしたいです。」と、とんとん拍子に決まり、7月2日に朝食会がアレンジされた。2件目獲得。
それだけであきらめてはいられない。名古屋から大阪校に通っている受講生の青井さんという方から、中部戦略研究会という団体の幹事を紹介していただいた。この団体は、中部エリアの中核企業のトップ~ミドルクラスの方々がメンバーで、毎月勉強会を行っている。 その方とお話ししていると「勉強会は外部スピーカーにお願いしており、よい人を探している。」とのことだった。となれば渡りに舟。「ぜひ弊社の堀をスピーカーとして起用してください。」と提案すると了承された。 3件目獲得!
これで、7月1日午後から7月2日にかけて開校記念セミナーと合わせて4つのセミナーをアレンジすることができた。 4つのセミナーで話をするというのは体力的にもかなりきついはずで、堀には申し訳ないと思ったが、最初に書いたとおり、名古屋でまず最初にやらなければならないのは認知度の拡大である。そのためには、直接トップの声を伝える、ということはとても重要であると思っていた。堀もその考えをよく理解してくれており、快諾された。
開校記念セミナー以外の3つは集客に悩む必要はない。集客はそれぞれの事務局にお任せすればよいからだ。一方で、我々が主催する開校記念セミナーは集客も我々の責務である。前述のような豪華なパネリストにお集まりいただきながら、ホールが閑散としてしまっては認知度向上どころか逆効果である。ホールがスカスカだったらどうしよう・・・そんなプレッシャーを感じつつも前に進んでいった。
しかし、心配は杞憂に終わった。蓋を開けてみるとほぼ満席になり、席を追加しなければならない状況になった。アンケート評価も大半が4以上で、多くの方に満足いただくことができた。
開校記念セミナー以外のセミナーでは、堀はそれぞれ聴衆に合わせて、内容、トーンを変えながら情熱的にスピーチしていった。 その結果、それぞれのセミナーでも多くの方々から「満足」という声をもらうことができた。
結局、この2日間で300名を超える方々がグロービスに、堀義人に触れることとなった。
すぐにこの方々が名古屋校で受講をするわけではない。しかし、これまでグロービスを知らなかった多くの方々にとっては、グロービスの存在を知っていただくキッカケになったはずはある。
嵐のような2日間となったが無事終えることができて満足感を感じつつ、夜は打ち上げに向かっていった。