先日自宅を整理しているとずいぶん昔の雑誌「プレジデント」が出てきた。パラパラとめくっていると気になるタイトルを発見した。タイトルは「考えよ、行動せよ、また考えよ」。
著者は建築家安藤忠雄氏である。安藤氏と言えば日本を代表する建築家であり、東京大学教授でもある方だ。安藤氏は記事の中で以下のように語っていた。
「僕の発想をすることくらい、考えつく人はいくらでもいるんですよ。でも行動を伴うのは難しいことです。難しいけれども、個性を持った個人をネットワークすることで結構いろんなことができるもんですよ。責任のある個性を持った個人・・・これが大事です。」
個性を持った個人をネットワークする、これはまさにGMSが目指 している姿ではないか、そう感じた。GMSという場を使い、人の輪を広げ、そこから新しい”何か”を生み出していきたい。 今、そう思いながら仕事をしている。さらに安藤氏は次のように語る。
「人間、新しいことをやろうと思ったら、どうしたらいいか、ものすごく考えます。失敗するかもしれないから、自己防衛の策も考えながらやる、それで余計に頭を使う、それでも失敗したら一歩下がってまた考える。
でも、新しい発想がないところでは何も考えない。日本はいつからか、問題が出てきそうなことは、やるのはやめておこう、というふうになってしまった。それで頭を使わなくなった。」
我々はついつい日々慣れたやり方に安住してしまう。安藤氏はそれでは頭を使っていない、そして、それが日本の凋落に繋がっている、と指摘している。自らを奮い立たせ新しいことにチャレンジしなければならないとおっしゃっている。
名古屋校の立ち上げに携わって1年が経過した。この過程は常に新しいことへの挑戦だった。これまで全く経験してこなかったような問題にぶち当たったこともあった。様々な困難があったが今日という日を迎えられ、多くの受講生の方々に名古屋校にお集まりいただいている。
やるのはやめておこう、ではなく、挑戦してみようと思い未知の領域に飛び込んだわけであるが、そのおかげで自分自身を成長させるきっかけを得ることができたわけだ。考えてみるとGMSにおいては受講生の方々一人ひとりが新しいことへ挑戦しているのである。ある方はクリシンのクラスで、またある方はマーケティングのクラスで。素晴らしいことである。できれば、受講生の皆さんにはGMSを通じて学び新しい自分自身を開拓するだけではなく、さらに仕事においても挑戦を続けて欲しい。そう願っている。
最後に安藤氏は自身の職業観についてこのように答えている。
「自由を奪うものに対して、個人が自分の職業を持って抵抗することこそが、真に豊かな社会をつくっていくのだという信念のもと、いままで社会と、そして自分自身と闘い続けてきた。」
安藤氏の人生はまさに闘争である。著作「連戦連敗」でも、コンペに敗れ、それでも次のコンペに挑戦していく様が克明に描かれている。安藤氏の言葉を読むと、大きなことを成し遂げる人は高い理想を持ち、その理想を実現するために、自分に打ち勝つことができているということを教えてくれる。
今自分にできることは、自らに負けることなく挑戦し続けることである。これからも受講生の皆さんと一緒にチャレンジを続けていきたい。