以前のコラムでも紹介したことがあるが、グロービスには リトリートというものがある。このリトリートという 言葉は耳慣れない方も多いであろう。もともとの意味は隠遁や避難だが、そこから人里離れた場所に行き会議をする という意味としても使われている。
グロービスではこのリトリートを部門ごと年に1回必ず行っ ている。目的は2つ。ひとつは部門の方向性の議論だ。非日常の空間で将来の方向性を議論することで普段とは違った考えが生まれるという効果がある。そして、もうひとつの目的はチームビルディング。名古屋 の組織は新しいメンバーが多い。互いに知り合うことができると仕事を進める上で重要なコミュニケーションが円滑になっていく。このような目的でリトリートを企画している。
今年は新しく入ったメンバー中心に1泊2日のリトリートを企画してもらった。行き先は議論があったが飛騨高山に決定し、5月15~16日で リトリートを実施してきたわけだ。飛騨高山に入ると真っ先に行ったのが高山ラーメン。スタッフの一人がネットでランキングが1位だった「つづみそば」という店を見つけていてこの店に向かった。ダシがよく効いていて素朴な昔ながらのラーメンでおいしくいただいた。
その後宿泊先である「花扇」に向かった。入ってみるとロビーに囲炉裏があったり、女性は浴衣を選べるなど細部にも行き届いたサービスでとてもよい雰囲気であった。そして、何よりも圧巻だったのは会議室だ。もともと純粋な旅館宿なので会議室がない。そこで宴会場を会議室形式にアレンジしていただき使用させていただいた。床は畳敷きで周囲は金箔が貼られた襖に囲まれている。そこにホワイトボードがあり一種異様な光景だったが、このような異空間で議論が盛り上がったのは言うまでもない。
翌日の午前中はお互いを知り合うという目的で互いの価値観を探っていくセッションを行った。各メンバーの普段聞けない心の深い部分に触れることができ、様々な発見があった。
午前のセッションは早めに切り上げ、折角高山に来たので街の散策に向かった。宮川沿いの朝市や小京都と呼ばれる古い町並を歩いた。その後、自然に触れたいということで 「宇津川四十八滝自然公園」に向かった。ここは高山の中心街から車で30分ぐらいの場所にある自然公園だ。宇津川が形成している無数の滝を見ながら川の脇を上流に向かって登っていくことができるようになっている。森林浴をしながら上っていくととても気持ちがよい。そして、滝の前に立つとマイナスイオンを浴びることができ、精神的にも肉体的にもリラックスすることができた。頂上の近くの展望台からは雪に覆われた北アルプスの峰が見え、すばらしい景色を堪能することができた。
今回のリトリートでは、部門の方向性の議論やチームビルディングという目的を達成できただけではなく、自然に触れてリラックスすることができた。このような企画をしてくれた仲間に感謝するとともに、英気が養われさらに果敢にチャレンジしていこうと心を新たに岐路についた。
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