最近、意思決定の迷路に迷い込むことがあった。その際に参考になったのは以下のジャック・ウェルチの言葉だった。
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化学工学を学ぶことは、ビジネスマンを育てる上で最高に有益な基礎になる、と私はずっと感じている。研究室での演習や論文作成を通して得られる教訓は、問題には正解が一つではなく、いくつもあるということだ。決まった方程式に当てはめさえすれば正解が導き引き出されるというものではない。そこで重要なのは思考のプロセスだ。
ビジネスでも同じだ。現実には黒か白か、はっきり答えの出る問題などほとんどない。いろんな可能性を考えていく中で、灰色の問題のより暗い影に近づいていける。ビジネスは、数字で判断するのと同じように、あるいはむしろそれ以上に、嗅覚で、感性で、あるいは触感で、判断し、進めていくものだ。
もし完全な正解を出るまで待っていたりしていたら、世の中は我々を置いてきぼりにして行ってしまうだろう。
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これは、日経新聞の私の履歴書に2001年の10月10日に掲載されたもので、メモとして残っていたのだが、それを久しぶりに読み返した。
そう、現実的には黒か白かはわからないが、最終的にはどちらかと言い切らねばならない。その難しさを熟知したジャック・ウェルチの言葉には含蓄がある。
五感をフルに活用して意思決定する。ロジックだけでは現実を把握することはできないということだろう。
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