4月を迎え、多くの会社では新年度となっていることと思う。新年度と言えば新入社員の受入である。今年の新入社員は60万人で昨年比約10%増であるという(日経新聞より)。
私がグロービスに入社した99年当時は新入社員向けの研修を企画・運営するという仕事は全く無かった。20代を中心とした若手社員の研修のお手伝いすることですらレアケースであった。しかしながら、ここ3年間で急激なスピードで新人向けの研修の企画・運営をお手伝いすることが増えている。
その背景としては、企業も若手に投資するという余力が生まれきたことも一つの要因だろうが、一番大きい要因は早期戦力化が昔以上に求められる環境があるからであると考えている。
多くの日本の大手企業ではバブル後の社員の採用抑制を行い、その結果、現在の30代前半の社員が手薄になってきている。その中で、ここ数年徐々に景気が回復し売上が増加している。
もちろん、中途採用を進めて、手薄になった層を補強しようと動いているものの、それだけでは需要に応えるだけの供給力を作り出すことができない現実が多くの職場で生まれている。
その職場を支えるために、新入社員を多く受け入れて頭数を単純に増やすことと共に、新入社員の能力を入社後にできるだけ早く高めていって早い段階での職場における戦力にしていきたいという会社側の意向が強まっている。
このような背景から、グロービスの研修部門でも新入社員向けの研修が増えていると考えている。
私は新入社員の研修というのは極めて重要であると考えている。
何事も最初が肝心である。入り口の段階でマインドセットがずれていたり、求められるスキルが何でそれをどのように身に付けていけばよいのか、ということを押さえないままに職場に配属されると、伸びる人材も伸びなくなる。
また、最近の自己成長意識の高い20代の方々は、冷静に自分がこの職場で伸びるかどうかということを観ている。そして、自分が伸びないと判断すると第二新卒として他社への転職を考えるようになってしまう。そのようなことを未然に防ぐと言う意味でも、新入社員の研修は非常に大切であると考えている。
ぜひ多くの今年の新入社員の方々が入社後スムーズに育っていき、各社で活躍されていくことを期待したい。
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