IEPの三週目に入り、少しずつ慣れてきていて、クラスでも発言のタイミングがわかりつつある。プログラムは今週は大変気づきの多いセッションが多くて刺激的な日々であった。
以下に簡単に振り返りたい。
・Fair Leadership
このクラスの担当ファカルティは以前、INSEADのco-Dean(学長)を務められた方。
ケースはナポレオン(INSEAD作成)を使い、いかにFair Processがリーダーにとって重要なのかを学ぶ。ナポレオンが頂点を極めるまでと、皇帝になってからとの対比をしながら、議論をしていく。
Fair Processは以下の5つ。
1)Engaging ( & Framing & Seeing)
2)Exploring ( & Eliminating options)
3)Explaining ( & Deciding & Expectations setting)
4)Executing ( & Realizing)
5)Evaluating ( & Learning & Adapting)
面白いのは、我々GOLが取り組んでいることと同様、リーダーシップをプロセスで捉えているところである。
また、ここまで欧州のBSでFairということが強調されると想像していなかったので、新鮮な驚きであった。受講生のみんなと話していると、ジョブディスクリプションがハッキリしている中で、どのようにメンバーや同僚に会社(ジョブ)にコミットしてもらうか、ということに悩んでいて、そのためにFairであることは欠かせないということを話している。
Ludoからも「Fair Process is universalで国や文化を超える、カルロスゴーンを見よ、彼が日産で行ったことはすべてFair Processで説明できる」というメッセージは受講者に強烈に響いていた。
また、休憩時間に分からないことを質問しにいくと、日本のマネジメントの特徴の話になり、クラスが始まったら説明してほしい、と言われ説明する機会を得た。
全員参加が基本、そのためのキーはミドルマネジャー。ミドルがトップ+シニア、そして、ボトムのスタッフと連携し、Fair processを回している、ということを伝えていった。
・Doing business in an evolving world
このクラスのファカルティはWorld Bankに勤務経験がありPrinceton大学でPh.Dを取っているフランス人である。テーマはマクロ経済。宿題はEconomistの記事を3本読んで感想をまとめてこいというもの。
マクロ経済ということで難解な話になるのか?と思って参加したのだが、それは単なる偏見で、非常に面白かった。
各国のデータを見ながら世界でどのような変化が起こっているのか、今後どのような変化が我々に降りかかるのか、経済はどのように動いているのか、グローバル化が進む中で企業はどのような点を気をつけるべきなのか、等を議論していく。
徹底的にビックピクチャー+その中でどのような力学が働いているのか、ということを意識させるセッションである。
プログラムの中で一つ面白いサイトが紹介されたので、共有したい。これは、各国の経済指標がデータとして蓄積されていて、その変化をグラフで動態的に見ることができ、世界の過去からの変化が動きで見えて面白い。
http://www.gapminder.org/
・Gavernance
HPのCompaq買収の際のProxy Fightを題材にしたケース(INSEAD作成)をもとに、コーポレートガバナンスを議論した。ファカルティはFiar Processと同じ方。
ここでも、Fair Processの重要性、そして、CEOとChairpersonの違い、また、CEOとしてのフィオリーナのLeadershipについて議論していった。
CEOとChairpersonの役割の認識を持たないと健全な意思決定ができない、ということがこのクラスのメインメッセージだったのだが、様々な要素がからみあるシチュエーションでクラスディスカッションが盛り上がった。
ただ、盛り上がると入る発言の隙を失うので、発言する戦略としてはできるだけ問いがあったら先んじて答えることを意識しているのが実態でまだまだ修行が必要。
HPの話だけでなく、現在のアメリカのBoardの特徴(CEOとChairpersonが同一人物でけん制機能が効いていない)についても話が広がり、国によってシステムが違うということを再認識した。
・Leading change+Social Capital+Political Capital
これらの3コマは以前もリーダーシップについて講義をしたスペイン人のファカルティが担当した。
Leading changeはOgilvy&Matherという会社のケースを使い、Poritilcal Capitalはマーガレッド・サッチャーとリンドン・ジョンソンのケースを使う。
Leading Changeでは、7Sのフレームワークが紹介され、Alignmentの重要性が一番のラーニングポイント。このクラスでは、主人公であるCharlotte Beersという後にMost powerful woman in USに選ばれる女性CEOの行動をポジティブと捉えるかネガティブと捉えるか、の視点で分かれて議論したのだが、24人中2名だけネガティブとなり、それがシンガポール人と私の二人。
最初は心細く思ったのだが、発言するにはよい機会でとても楽しいクラスとなった。
Social Capitalのラーニングポイントは、多様性は成果につながる要素の一つでその多様性をうまく活用するためにはNetwork/Relationshipを育まなければならない、ということ。
SocialCapitalは宿題はなく、クラス中にSocial Capitalのテストを行って、それを振り返りながら進める。ファカルティのクラス展開が面白く、クラスは笑いの連続。人類の起源にまで遡ってなぜSocial capitalが必要かを考えていった。
Politlcal Capitalは上記の通り、政治家2名を題材にいかにPoliticを活用しながら成果を創り上げていくか、ということを議論していった。
ラーニングポイントは、ネットワークを作り育むためには情報がカギ、ということ。書いてみると至極単純なことだが、ビジネススクールで政治家を取り上げるという取り組みは面白い。また、いかにそれぞれが会社でPoliticsの力学を理解して、それを活用していくべきか、ということについても議論を重ねた。
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