井上陽介のブログ

「99.9%は仮説」から考えることについて考える

書籍「99.9%は仮説　思い込みで判断しないための考え方」を読む。

同書は副題にあるように思い込みを脱却するために、世の中にある定説と考えられているものがいかに不安定な証明しかなされていないか、ということを明らかにしていく。

著者が科学作家ということもあり科学の事例を中心にし、驚きの話が紹介されている。たとえば、飛行機がなぜ飛ぶかは明らかにされていないという話や、1960年代以降に精神病の治療法として前頭葉を切り取るロボトミー手術というものがごく当たり前に行われており（脳の指令センターを切り取ったので、患者がおとなしくなるのを見て、精神病が治ったと解釈した）、さらにその治療法を編み出した医者はノーベル賞を取っているという話などなど、が紹介されている。

このような事例を引き合いに出しながら、世の中は事実ではなく、大半が仮説をベースに判断がなされていると著者はいう。そして、だからこそ、定説のように語られる説を「疑っていくこと」の大切さを説く。

クリシンでも「考えるとは”疑うこと”」ということをよく言う。人が当たり前と思い込んでいることを疑ってかかってみると、物事の違った面が見えてくるのだ。この「99.9%は仮説」もそのヒントをたくさんくれる書籍であった。

　

学びの定着は実践にあり

本日はクリシンのクラス第2回目である。最近のクラスで意識しているのは「受講生の方に日々の仕事でクラスでの学びを意識し実践してもらうこと」である。

私がクリシンで教えているような「論理思考」や「コミュニケーションスキル」「問題解決スキル」は”使ってなんぼ”である。クラスでも”わかる”と”できる”は違うというように何度も繰り返し言う。できるレベルに持っていくためには、使い続けること、これに尽きる。

今回のクラスでは、最初のセッションで「仕事の中でクリシンの学びを意識したら変化したこと」についてグループごとに対話し共有するという時間を仕掛けとして入れてみる。

第2回目のクラスであるから、どこまで出てくるか心配であったがグループごとかなり盛り上がっている。そして、クラス全体で話し合う時間を作ると、

　－部下に対する指摘の仕方などのコミュニケーションのやり方が変わった
　－他部署からあるプロジェクトについて意見を求められて以前は思いつきで回答していたが、「主張と根拠の関係」や「反論に備える」ということを意識して回答した

等など、具体的な実践事例を共有いただいた。

講師紹介ページでご案内しているクラス運営方針にも「3つの約束」の一つとして、「日々の仕事の中で使っていくこと」を挙げている。

仕事での実践を通じて、本当の意味での学びの定着化が図れるはずである。ぜひ、今後のクラスでもできる限り今回のようなセッションを取り入れていきたい。

　

新人研修の講師、初日

本日からあるクライアント企業の新入社員研修の講師を務める。それ自体は対して珍しいことではないのだが、今回の研修は3日間連続なのである。

私は過去3日間連続という研修を実施した経験はない。3日間連続ということが体力的におそらく結構つらいだろう。

また、今回は「論理思考」「問題解決」「コミュニケーション」という3つのコンテンツをやっていくことになるのだが、はじめてファシリテーションをする内容もいくつかあるため、準備に時間がかかる。

本日の「論理思考」は無事問題なく終えたのでホッと一段落だが、あと2日間、がんばって乗り切らねばならない。
　

4月期クリシンスタート！

本日はクリシンの4月期の第1回目のクラスである。今期のクラスは土曜日の10時のクラスを担当している。

過去は平日の夜クラスか土曜の夜クラスの担当が多かった。なので、土曜日の朝クラスの雰囲気はどんなものだろうと思ってクラスに臨んだが、始まってみると眠くなっているような方もおらず、積極的に皆さんが参加してくれた。一安心であった。

懇親会はランチ懇親会となる。受講生の方々とランチを食べながら受講の感想などをお聞きしていた。すでに懇親会の席で次回の勉強会の実施についても話し合われていて、よい関係ができつつある。

さて、本日から3ヶ月間のクラスが本格的に動き始めた。今日はじめてお会いした受講生同士の人間関係も少しずつできてきているので、今後のクラスが楽しみである。

　

ドナルド・バーがさらなる挑戦に向かう

POGOという会社がアメリカにあり、同社はプライベートジェットを一般のユーザーが気軽に利用できるサービスを展開している。

このPOGOはピープルエクスプレス航空の創業者であるドナルド・バーが次なる挑戦として創業した会社である、ということを以前このブログでも紹介した。

　

そのことをグロービス社内でも共有していたのだが、先日、東京にいるとあるクリシン講師からメールが入ってドナルド・バーがこのPOGOを退社したというメールがきた。

早速、同社のホームページを覗いてみると以下のようなお知らせが出ていた。

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Robert Crandall accepts new role as POGO's CEO

Bob Crandall recently accepted the role of Chief Executive in addition to his role as Chairman. Past CEO Don Burr has left POGO to pursue other opportunities, and the entire POGO team wishes him well.
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「ドナルド・バーは他の新しいチャレンジを求めてPOGOを去り、社員はそれを喜んで送り出した。」とでも訳すことができるだろう。

退社の真相を知ることはできないが、新しいチャレンジを望むのは起業家の常なのだろう。
彼の次なるチャレンジに関するニュースを期待したい。
　

クリシン講師大集結！

今日から某クライアント企業の研修のお手伝いである。同クライアントの新人に向けた研修を実施する。内容は論理思考である。

これだけ聞けばごく当たり前の仕事ではあるが、他との大きな違いはその規模である。トータルでは1,000名近い方々に論理思考のプログラムを提供していく。

これだけの規模の研修を実施するためには、ハイクオリティのプログラムを提供できる講師陣が十分な数いなければならない。当然名古屋オフィスだけでは供給をすることができず、今回のプロジェクトに向けては東京、大阪からクリティカルシンキングの精鋭講師陣に名古屋に集っていただいた。

他のクライアント企業の新人研修が立て込む4月に、ハイクオリティのプログラムを提供できる講師をこれだけの規模で供給できるプレーヤーは研修マーケットでは稀な存在のはずである。

これは、GMSの拡大を背景に、質だけではなく、質を落とさず（もしくは向上させながら）量への対応をしてきた結果生まれたグロービスの強みの一つと考えることができる。

先日もブログに書いたように、企業経営における人材育成の重要性は高まっているという環境変化がある。その中で引き続き、質とともに量にも対応できる組織を作っていく必要があると考えている。

　　

実質は行動である

クリシンの最終回であった。クラスの最終回を迎えていつも思うことは本当に3ヶ月があっという間であるということだ。

今日のクラスの最後に皆さんに伝えたのは以下の言葉である。

　

「重要なのは行為そのものであって、結果ではない。

行為が実を結ぶかどうかは、自分の力でどうなるものではなく、生きているうちにわかるとも限らない。

だが、正しいと信ずることを行ないなさい。

結果がどう出るにせよ、何もしなければ何の結果もないのだ。」

　

これはガンジーさんの言葉である。

受講生の皆さんはクリシンで「正しいと信ずること」を考え出す力を学んだことと思う。また、「よりよい思考」を学び、質の高い行動計画を立てることができるようになったことと思う。

しかし、プランニングばかりしていて行動がなければその計画は一生日の目を見ないのだ。だからこそ、行動をしてほしい。思考も重要であるが、実質は行動にあるのだ。

そんな思いを伝えたかった。さて、どこまで私の思いが伝わっただろうか。

いずれにしても、共に3ヶ月の時間を過ごした受講生の皆さんに感謝している。

＞皆さん

お疲れ様でした。また、お会いしましょう！(^^)

　

3/2クリティカルシンキング体験セミナー開催

来週の木曜日である3月2日にクリティカルシンキングの体験セミナーをGMS名古屋校で開催し、講師は私が担当する。

グロービスではクリティカルシンキングを毎期東阪名の3拠点で30クラス前後開催している。一クラス当たり25名として750名の方々が毎3ヶ月受講しているのだ。年間に換算すると3,000名が受講するプログラムとなっている。

これだけ多くの方々が受講するのは、

　－論理的に考えること
　－相手にわかりやすく伝えること
　－効率的に効果的な結論を出すこと

というクリティカルシンキングで得られる学びの必要性が高まっている現実があるのだろう。

例えば、昔のように”阿吽の呼吸”で十分だった職場のコミュニケーションも、中途採用や派遣社員、契約社員等の新しい雇用形態の増加に伴って論理的で誰でもわかるコミュニケーションの必要性が高まっている。

また、インターネットやグローバル化の影響で変化のスピードが速まり、スピーディーに正しい結論を出す必要性も高まっている。そのためにも論理的な考えをベースとした問題解決の力がますます重要になってきている。

3月2日では、限られた時間ではあるものの、少しでもクリティカルシンキングのエッセンスをお伝えするセッションを展開したい。

残り数席あるようなので、ご興味のある方はぜひ参加いただきたい。

・詳細・お申込はこちら！

　

思考停止を超えるための守破離

某社大手メーカーの入社15年目前後の10数名の方々とお話しする機会を得た。この方々と「問題解決」についてディスカッションをすることとなったのだが非常に学びが多かった。

同社では、問題解決を研修で入社数年目の若手社員に徹底的に教えていこうとしている。
今回のミーティングに参加したある方が言ったことが興味深かった。

それは、「問題解決が仕事で必要ということはよくわかる。しかしながら、問題解決の”型”を教えた結果、”考えない”社員が増えてしまうのではないか、ということを懸念している。昔は、型などなかった。その中でもがきながら考え続けて、自然と問題解決を実践してきた。」

この方のこの意見を聞き、なるほど、と思ったものの、私はやはり”型”は必要であると考えている。

「守・破・離」という言葉がある。武道などで技を身に付ける場合、3つの学びのステップがあると言われる。
第一は、その流派の”型”をまずは徹底的に真似てみて、自分のものにすること。これが”守”である。第二は、その”型”をベースにして創意工夫をしてみる。そして、自分なりのやり方で”型”を使いこなすこと。これが”破”である。第三が、完全に”型”を離れ、オリジナルのやり方を自由自在にこなすこと。これが”離”である。

問題解決のスキルの習得も同じだととらえると、まずは型を徹底的に学んでみるステップが必要である。その上で、自分なりに考えてみて創意工夫をしてみる。そして、自分なりのやり方を作り上げていく、というプロセスが必要になるはずだ。

思考停止に陥ってしまう人は”守”のステップで留まってしまっているのだろう。

本当の意味で問題解決のスキルを身に付けてもらうためには、この”守”だけではなく、”破””離”のステップを促すような仕掛けが必要になるはずだ。

風邪でクリシン

前日から体調が今ひとつだったのだが、朝起きると喉が痛く、微熱が出ている。そして、咳が止まらない状態だった。

しかし、今日はアポが午前中から入っているし、午後にはミーティング、そして、夜はクリシンのクラスという予定であった。

なんとか、夕方までの予定を終えて、クラスに備えて栄養ドリンクを二本飲み干す。

体調が悪いことはクリシンのクラスでは受講生の皆さんに悟られないことを決意して、教室に入る。

しかしながら、やはり切れが悪い。受講生の方の質問を受けると頭の回転が遅くて回答が少し遅れる。おそらく、受講生の皆さんには悟られないでいられたのではないかと思うが、自分自身としては納得いくファシリテーションではなかった。

申し訳なかったが、懇親会には参加を控えさせていただき、家に帰って早めに寝ることとした。

プロフェッショナルとしては、クラス前に風邪をひくということはあってはならないことである。体調管理を怠ったわが身を反省し、別途の中に入った。