プロジェクト始動後、最初にしたことは人に会うことだった。
スクールというビジネスはある意味、土着のビジネスである。
その周辺の人々にとって役に立つモノでなければ存在価値はないし、成長はできないだろうと仮説を立てた。だからこそ、中部に住む人とできるだけ会いたかったのだ。会う過程で思いやニーズを自分の体に染み込ませたいと考えた。
人に会える日は1日間4~5人の方とお会いする。2月から3月にかけて、11日間で52名とお会いした。自分の友人から始まって、GMS既受講生、企業の人事担当者、グロービススタッフの知人、お会いした人のまた知人など、様々な“つて”を辿ってお会いしていった。会社の規模や業種もさることながら、人材育成に関する思いや考えもさまざまであった。
時たま壁にぶちあたって、暗くなってしまったときもあった。
「名古屋人はサイフの紐が固い」
「名古屋はモノづくりの世界。GMSのようなモノは受けない」
「名古屋は排他的。そう簡単に入り込めないよ。」
といった言葉が交差し「ダメなのか・・・」と思ってしまった時だ。
しかしながら、逆にとても勇気付けられるお言葉を頂いたことも度々あった。既受講生の方にお会いしたとき、その方が名古屋で既受講生のMLの存在を教えてくれて、メンバーリストを見せてくださった。リストには各メンバーのコメント欄があり、その中のひとつに次のようなコメントがあった。
「自分たちが頑張って学び、実践し、GMSを名古屋に創りましょう」
私はこれを読んだとき、恥ずかしながら涙が出そうになってしまった。心が沈んでいた時だけに「名古屋にGMSを」と願っている人がいることが心からうれしかった。
そして、喜びを感じるととも大きな勇気が湧いてきた。
多くの方と面談を繰り返す中で、やはり名古屋には可能性はある、と考えるようになっていった。「中部エリアにはビジネスに関して刺激を受ける場や自己研鑽をするための場が少ない」と話す方が非常に多かったからだ。
そういった中部エリアの方のニーズに対して、僕らグロービスがこれまで10年間培ってきたノウハウをGMS名古屋校という場を通じて提供できれば、多くの方にとても喜んでいただけるのではないかと思った。
我々ができることは、その可能性にかけて前に進むこと。
「迷わずいけよ、行けばわかるさ」そう思った。
コメント