名古屋にある大学から連絡が入った。「一度お会いしたい。」ということだったので早速乗り込んでいった。訪問すると商学部の学部長である大学院教授がいらっしゃった。同大学
は名古屋で経営大学院をすでにスタートしている。どのような話になるのかドキドキしながら先方の出方を探っていると、提案があると言う。
そこでの提案は驚く内容だった。GMSと提携関係を持ちたいということだった。それも非常に具体的で「ケースの共同開発」や「ファシリティの相互利用」からはじまり、「単位互換」も盛り込まれていた。これまで一教授とのタスクレベルでの共同作業はあったが、日本の文部科学省の傘下に入っている大学院との提携はない。
突っ込んで話を聞いてみると状況は以下のようである。ビジネススクールと銘打ってクラスを提供しているが、理想である欧米のビジネススクールとは程遠い状況になってしまっている。 教授の大半は実ビジネスを知らない。また、ケースメソッドでクラスを進めることができない。受講生の一部からは不満が生まれてきている。
そのようなことを悩んでいたところ、GMSが名古屋に進出するという話を聞いた。そこで、ぜひ共同して動いていきたいと考えた、とおっしゃるのだ。
本当に驚いた。経営大学院の学部長自身が「ウチは実践的なクラスを提供できていない。だから実践的なGMSと提携していきたい。」とおっしゃるのだ。そして、GMSのブランドもここまで高まっているのか、ということに驚きを感じた。
私がグロービスに入社したのは5年ほど前だ。当時、グロービスと言っても友人、知人は誰もピンとこなかった。まして、大学関係者はGMSの存在すら知らない状況だった。
それが5年後の今、大学院の学部長からこのような話をいただくことができたのだ。隔世の感がある。
結局、今回の話は社内で検討したがお断りすることになった。
ただ、これまでやってきたことは間違っていないということを実感した。ビジネスパーソンにとって本当に役立つモノを提供していく。フルタイム型ではなく、学びやすいカフェテリア型であり、かつ、学術的ではなく本当に使える実践的なプログラムを提供していく。
そうすることで多くの方に満足いただき、それがまた口コミで広がり、徐々にブランドが構築されていく。 そして、受講生の皆さんがGMSで学んだことを誇りに思い、リーダーとして活躍している。
そんな未来を皆さんと作っていきたい。そのために今できるベストを尽くそう。そう思った。
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