4月25日の日曜日、学生向けクリティカルシンキングのワークショップの講師を担当した。これは現在名古屋オフィスにインターンとして来ていただいている名古屋大学の学生が所属するBLS(Business Laboratory for Students)中部という学生団体の主催によるものであった。
BLSとは主に理工系の学生が「ビジネスについて研究することを通じてネットワーク作りと社会への貢献を実現する」ということを目指した団体である。BLSは日本の主要地域にあり、中部は名古屋大の学生が中心となり組織を作っている。
BLS中部のメンバーが集客を進め最終的には24名の方が申し込んでくれた。大半は名大、名工大の学生であったが、なんとその中の2名は鹿児島大学の人で鹿児島から参加しにきてくれるとのこと。まさかそんなにも遠くから参加いただけるとは思ってもいなかったので本当に驚いた。
学生向けにクリシンを行うと言っても内容を学生向けにアレンジすることはない。基本的には「ビジネスにおいて必要になる論理的な考え方、構造的アプローチを修得すること」を目的にしたプログラム構成である。もちろん事前課題はあり。
ビジネス系の課題にどこまで学生がついてこれるか心配であったが、彼らの事前学習の徹底や主体的な参加によりかなりスムーズに進めることができた。そして何よりも驚いたのは予想を上回る「思考力」である。
「最近の学生は自ら考えることをしない」といった学生評を耳にすることも多い。だから、彼らに対してはかなり丁寧に道筋を示して考えさせていこうとプランニングしていた。しかしながら、実際に演習をやってみるとそれぞれの意見を出し合いながらかなり精度の高い回答を出してくる。それを受けて、次の演習ではあえて考え方を示さずグループワークに入った。
それでも各グループは時間内に演習での回答を用意してきた。そして、その内容もこれまでの社会人を対象にしたクリシン講師の経験と比較しても非常にレベルの高い回答を考えており、舌を巻いた。さすがに後半のケースを使った演習では社会人レベルには達していなかったが彼らの潜在能力の高さを垣間見ることができた。
願わくばその能力をうまく開花させていって欲しい。
ワークショップ後、鹿児島から来てくれた学生は、
「我々は月曜日翌朝名古屋から鹿児島へ戻り本業へと戻りましたが、月曜の夜の勉強会で学んだばかりのクリティカルシンキングのメソッドを用いたところ、道筋立てて考えることができました。交通費を5万近くかけて行ったクリティカルシンキング。それだけの価値があったようです。」
という感想を送ってくれた。社会人の方々にも強烈な気付きを得ていただけるクリティカル
シンキング。学生向けでもやはりパワフルな力を発揮するようである。