先日、Pascoブランドで有名な敷島製パンの盛田社長とお会いさせていただいた。ある仕事のご縁で盛田社長をはじめ、敷島製パンの経営幹部の皆さんとランチをご一緒する機会をいただいたのだ。そこで、盛田社長の企業経営や人材育成についてのご意見をお聞きし、大変勉強になる有意義な時間となった。
食事も終盤に差し掛かったころ、盛田社長から「実は私がグロービスさんを知ったのはある会社の社長から教えてもらったのです。」と言われた。実はかなり昔からグロービスのことをご存知だったそうだ。
どなたですか、とお伺いしたところ、「ドリームコーポレーションの林社長です。」という回答だった。
ドリームコーポレーション(以下DC)とはベーグル&ベーグルというブランドでベーグルを日本で提供する会社としてはパイオニア的存在である。東京で成功を収め、最近名古屋でも三越やパルコ、そして、2月にはセントレアにもお店をオープンさせた。
DCとグロービスの関係は古い。グロービスのベンチャーキャピタル部門が創業間もない頃に投資をし、VCのメンバーも必死になってサポートしてきた。 創業後間もない頃は厳しいこともあったのであろうが、なんとかそれを乗り越えて、現在も上場を目指してがんばっていらっしゃる会社だ。
DCの創業から成長のプロセスをケースにしたためてグロービスのベンチャーマネジメントの教材としても使用しているので、ご興味のある方はぜひいつかご受講いただきたい。
そういったご縁もあり、DCの林社長には昨年夏に行った経営セミナーでパネラーとして名古屋においでいただいた。その熱いトークに刺激を受けた受講生の方も多いことであろう。
盛田社長は林社長が創業しようと考えているころ、お知り合いになったそうだ。そして、その熱い思いを聞き共感して、材料の調達等で支援をしていく。 が、資金繰りがなかなかうまくいかないので盛田社長が知っているリース会社を紹介したそうだ。しかし、 その審査がとおらずリースが降りなかったという苦い思い出があるそうだ。
実はそのころ、グロービスが投資することとなり、資金面、また経営面でのサポートをするようになっていった。林社長から「グロービスという会社に支援してもらっていて、とても助かっています。」ということを盛田社長が聞かれて、グロービスの会社の存在を知ったとのこと。
その後、敷島製パンさんは引き続きDCとの取引が続いているそうで、林社長も盛田社長を親分といって慕っているそうだ。
その話を聞き、鳥肌がたった。DCという会社の創業と成長の支援のために盛田社長もグ
ロービスもそれぞれができることをやっていた。そして、今日この場でお互いにそれを改めて認識したのである。
その中心にいるのが林社長の「思い」であった。ビジネスはよく人と人とのつながりであると言う。一人の思いを出発点として多くの方々が引き込まれ、巻き込まれつながっていく。多くの人が夢や希望を感じて、もしくは、その人が好きだからというシンプルな気持ちから協力していくのだ。
ロジックも重要だが、やはり思いが原点になければならない。盛田社長と林社長、そして、グロービスとの関係を知りそう感じた。