今日は休みを取って自らの学びのために外部のワークショップに参加してきた。参加したのは「システム思考」に関するワークショップで環境分野では非常に有名な枝廣淳子さんを中心としたグループの主催である。
システム思考というと耳慣れない方もいらっしゃるかもしれない。アメリカでは「System Dynamics」という分野でかなり以前から研究されている。経営学の分野ではMIT教授ピーター・センゲが書いた「The Fifth Dicipline(邦題:最強組織の法則)」の中で「システム思考」が触れられている。グロービスのプログラムで言うと「クリティカルシンキング」の後半に因果関係を考えるセッションがある。ここで因果をつなぐということをやっていくわけであるが、この考え方がシステム思考にかなり近い。
数年前、大阪の社内勉強会で上記の「最強組織の法則」を参考にしシステム思考についてレクチャーする機会があった。当時数冊の本を読んで勉強会に臨んだわけであるが、今回もその当時の書籍を引っ張り出して事前に勉強して参加した。
今回のワークショップを担当するファシリテーターはデニス・メドウス氏である。氏の経歴を簡単にまとめる。「MITで経営学を学び(経営学博士)、1970年ローマ・クラブより「成長の限界プロジェクト」のディレクターを委嘱される。ダートマス大学で資源及び政策策定に関する研究と教育に従事。ニューハンプシャー大学に移り、同大学の経営学教授、国際システム・ダイナミクス学会会長などを歴任する。共著書に「限界を超えて」(ダイヤモンド社)等多数の著作を持つ。」要するに「システム思考」の第一人者である。システム思考のアプローチを活用して、経営の分野や環境の分野で活躍されている。
そして、今回のワークショップはメドウス氏をはじめこの分野の最先端の方々がまとめた最新のコンセプトを学ぶことを目的にしている。日本ではほぼ初めての実施になるそうだ。そのため、ワークショップは英語で行われる。英語力の自信はなかったがワープショップに対する興味が勝り参加することになった。
参加してみると30名強の方々が集まっている。そのうち女性が70%で男性が30%になる。皆さんのバックグラウンドをお聞きしていると、環境系のお仕事に携わっている方が多いようであった。
ワークショップではシステム思考の考え方をゲームやケーススタディを活用し楽しみながら学んでいくことができる。さながらグロービスのクラスのようである。課題は経営という分野というよりは、環境に関することや、国際開発に関することで、普段クリシンのクラスで取り扱っている課題ではないので非常に新鮮であった。
1日終えて学んだことは「部分ではなく全体を見ることの重要性」と「構造を捉えることの大切さ」である。クリシンのクラスでも「物事を構造的に捉えましょう」ということをよく言う。アプローチの違いはあるが、システム思考でも同じことを言っている。そして、この構造的なアプローチはあらゆる分野に応用できるということを再認識した。今後も様々な角度で学びを深めていきたいと思う。
そして、もう一つ感じたことは自身の英語力の無さである。ヒアリングはまあまあできるのであるが、自らが思うことを正確に、そして、わかりやすく伝えることがなかなかできない。英語についてしっかりと勉強していきたいと感じた。
いずれにしても、多くの気づきが得られたワークショップであった。
System Thinking Web Site:
・チェンジエージェント Website(日本語)
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