沖縄には2冊の本を持っていった。一冊が「ヤマハ発動機の経営革新」である。この書は仕事でヤマハさんとのお付き合いが生まれそうなので、参考に読んでみた。
ややヤマハさんよりに書かれているので割り引いて読まなければならないが、読んでみると結構面白かった。ヤマハ発動機という会社は想像以上に「チャレンジ精神」が豊富であることがうかがえる。
それは、当然トップのリーダーシップもあるであろうが、実は遠州地方には「やらまいか精神」という風土があるそうで、それがヤマハのチャレンジ精神を支えているという。ホンダやスズキをはじめ、遠州地方からグローバルカンパニーに育った会社も、この「やらまいか精神」を受け継いでいるのであろう。
この精神性について読み、サントリーさんで語り継がれている「やってみなはれ」を思い出した。サントリーさんはグロービスの大阪時代にかなりいろいろとお世話になったのであるが、非常に気持ちいい方が多かった。チャレンジを奨励する文化には、”失敗を許容する心持ち”と”自己責任”というある意味対立した概念が必要である。そのような文化で育った人はネガティブな思考にはならず、また、人に対して依存しない人物に育つのではないか、ということを感じながらサントリーの方々と仕事をしていた。
きっと遠州地方の方々もそのような人物の方が多いのではないか。だとすると一緒に仕事をする日が非常に楽しみである、そんなことを思いながら本を読みきった。
もう一冊は「第二の人生の見つけ方」である。今、私自身が第二の人生を見つけたいと思っているわけではない。キャリア論を考える上で参考になりそうだったので、手に取ったのである。(^^;;
ハーバード大学に第二の人生を考えるための講座があるという。本書ではその「オデッセイ」というプログラムを紹介している。その全体像は、前半7日間、インターバル3週間、後半7日間という丸1ヶ月間のプログラムである。前半では、集まったメンバーの中でパートナーを見つけ、パートナーを対話の相手として繰り返し自分自身を振り返っていく。そして、後半は男性なら妻を、女性なら夫を呼び、2人で今後の人生を語り合っていくという構成になっている。
GMSでも、キャリアビジョンセミナーと題して、キャリアに関するセミナーを実施したことがある。ただ、これは対象が20代から30代中心になる。
本書で紹介されているプログラムの対象者の中心は50歳である。そして、参加者は学歴も高く、グローバルな環境下である意味成功を収めた人たちである。その参加者たちにとっても大きな気付きがあると言う。
よく「40にして惑わず、50にして天命を知る」ということを言うが、このようなセッションで多くの方々が気付きを得ているとすると、「40にして惑わず」というのは達人のみの話なのであろう。
日本はこれから団塊の世代が引退を迎える。おそらく、まだまだエネルギーも有り余っているであろうし、社会に貢献したいという思いも強い方が多いと思う。このような方々に向けた新たなキャリア支援のサービスが今後生まれる可能性は大いにありそうだ。
コメント