昨日は家に帰ったのが4時過ぎであったが、なんとか10時過ぎに起きて新橋に向かった。目指す先は新橋演舞場。井上ひさし作の舞台「もとの黙阿弥」を見るためである。
「もとの黙阿弥」の場面は明治時代。あらすじは、興行停止の処分を受けた大和座に、男爵家の跡取りと書生が現れる。姉が勝手に決めてしまった縁談の相手と鹿鳴館の舞踏会で踊らなければならないので踊りを教えてほしいと。そして、今度は、事業家の娘と女中が相談にやって来た。やはり親が勝手に決めた婚約相手と鹿鳴館で踊ることになっているので踊りを教えてほしいと。この二つの話は同じ話。そこからドタバタが始まる・・・といった感じ。
このような舞台を見に行くのは初めての経験であったがかなり楽しめる。
まず、展開がとてもわかりやすい。明治に入り自分の意思で物事を決めたいと思う若い主人公たちと古い考えのそれを取り巻く周囲の人たちとのぶつかり合い、昔ながらのやり方で舞台を進めたい大和屋座長と舞台改善委員との対立の構図など、筋がしっかりとできていてわかりやすい。
また、舞台のゆっくりと進むペースがよい。1時に始まり終わりは3時50分。その間、休憩が2回入る。一回の休憩は30分もあり、お昼を食べながら舞台についてあーだ、こーだ、話し合える。スローライフではなく、スロープレイ(舞台)である。
そして、役者のパワーだ。映画とは違い、舞台は役者の生の力を感じることができる。数メートル先にTVで見たことのある役者さんが力いっぱい演技している。これは感激である。その中でも、主役を食っていたのは横山めぐみさんである。準主役の役回りであるが、演技力、存在感はぴか一であった。
役者はこのような舞台を月に何十講演と行うのだからすごい。その講演一つひとつで感動を伝えようと全精力を傾けるのだ。観客に「生きる力」を与えることができるとすると、すばらしい職業である。
このような舞台を見る機会を増やしていき、人生の肥やしとしていきたい。
“Yes, you may depend upon it she won’t let you out of her sight. She’ll show you the place from morning till night.”
エムシーエムジャパン http://www.oze.gr.jp/~take/diary/data/mcm1.php
投稿情報: エムシーエムジャパン | 2013-11-30 01:09