昨日、今日と某社の研修だったのだが、泊まりだったので、昨日の夜は受講者の方々と飲みに行った。そこで「仕事で涙を流した経験」について盛り上がった。先日このブログで私の「仕事で涙を流した経験」について書いたが、今日はある研修受講者Aさんの涙エピソードを紹介したい。
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Aさんは留学経験もまったくなく英語がからきしだめだった。そんなAさんがアメリカに赴任することになった。アメリカに駐在になった際のAさんの英語のレベルは中学生英語で、「What do you think?」すら聞き取れず、現地のスタッフからは「コイツ大丈夫か?」という目で見られていた。
それでも、アメリカ人、インド人、タイ人など10名弱のチームを任される。英語が少ししゃべれるようになっても部下育成ができるほどのコミュニケーション力はない。そこで、片言の英語で、
「日本には子供はおやじの背中を見て育つ、ということわざがある。間違っているかもしれないが、俺は俺が正しいと思うことをやる。だから、とにかく俺の背中を見ろ」
と言って、行動で示そうと努力をした。
それから3年間、ある仕事をアメリカ単独で行えるようにするプロジェクトのために全米中を駆け巡った。必死で駆けずり回っているうちに、赴任期間はアッという間に終わってしまった。
任期終了を前に、英語の問題もあったので部下には何も教えてやれなかった、と感じていて申し訳ない、と思っていた。すっかり「俺の背中を見ろ」なんて言っていたことは忘れていた。
そして、アメリカでの職場を去る最後の日、あるアメリカ人の部下が握手を求めてきて言った。
「Aさん、ありがとう。私はあなたの背中を見て育ちました。」
その言葉を聞いて自然と涙が出てきた。
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この話を聞いていて
-Aさんの異国の地でのご苦労
-そのような逆境でも信念を持ってやるべきことをやるAさんの姿
-そして、その姿を見て国籍に関係なく尊敬の思いを伝えるアメリカ人
それらのイメージが一気に沸いてきて、感動してウルウルっときてしまった。
人の熱意は国を超える、ということだ。
これからも、多くの方の涙エピソードを聞いていきたい。
自分に余裕がないと、なかなか相手の気持ちを考えてあげられないですよね~。
でも、人の幸せが自分の幸せ、みんなの笑顔を見たい!ありがとうって言われたい!っていつも思ってると、自然と相手の気持ちを考えられるようになるのかな。恋愛みたいですね(笑)
でも、人事って、社員一人ひとりの気持ちをわかってあげなきゃいけないけど、かといって、会社の立場にもたたなきゃいけない中立の立場。だから、客観的に物事を判断できる自分も失わずに、バランスを保たないとって思います。
こんな意識をいつでも持てるためには、相当心の広い、エネルギーあふれる人間にならないと・・・。まだまだ修行が必要ですね(^^;
投稿情報: shisyo | 2005-11-03 01:02
shishoさん、
いい話の共有ありがとうございます。やはり「ハート」なんですよね~。
ついつい忙しさや自分のわがままから「ハート」をなくしてしまうこともあります。そんな自分を乗り越えるよい知恵があればと思うのですが、なかなか簡単ではないですよね。
よい知恵があったら教えてくださいませ~。
投稿情報: 井上陽介 | 2005-11-01 23:15
いいお話ですね。
私は、普段涙もろくないはずなんですけど、でも、研修していると、なぜかうるうるすること数知れずです。自然と、人相手だと、熱くなってるのかもしれないですね。
今回のお話に比べたら、たいしたお話じゃないかもしれませんが、私の涙したお話をひとつ。
たった4日間の高卒の新入社員研修でのお話。本社での研修を終えて、一日お休みを挟み、いよいよ全国へ赴任する日。一日のお休みはみんなで交流を深めてもらうものですが、その貴重な時間を使って、ひそかにみんなで、手作りの感謝状を作り、色紙を書き、赴任日に研修担当の私に渡してくれました。普通は、赴任への不安や、同期との別れで頭がいっぱいなのに、ほんと驚き、涙しましたね。
まるで、一年間お世話した生徒を見送る先生の気分。たった数日間でこんな喜びを得られるなんて思ってもみませんでした。実はこれが私にとって、初めての新入社員研修。人を育て、感謝されることの喜びを仕事で初めて知った瞬間ですね。
涙を流すほど、感動し、悔しがることってとても大切なことだと思います。それだけ、自分が真剣に臨んでいるってことではないでしょうか。最近、研修を『こなす』自分にちょっと反省。受講者を育てることよりも、仕事として研修を遂行することに頭がいってることがあります。そんなときは、受講者と心が通じ合う喜びが得られません。
人事は冷酷なイメージもありますけど、ハートがないと務まらないなとつくづく感じます。
投稿情報: shisyo | 2005-11-01 00:12