先日のブログでも少しだけ触れた大前研一さんの「ザ・プロフェッショナル」を読み終えた。
大前さんの本で印象深いのは「サラリーマンサバイバル」。この本を前職の会社の寮で読んでいたことを思い出す。それは98年ごろだったので、今から7年以上前のことになる。この本を読み終え、自分のキャリアは自ら創らなければならないのだ、ということを強く感じた。
その後、様々な経験を重ねてきた。グロービスへの転職、大阪オフィスの顧客基盤の拡大、名古屋オフィスの新規立ち上げ、クリシン講師などなど。
その原点を創ったのは、「サラリーマンサバイバル」だったかも知れない。その後、大前さんの本はいくつも読んでいる。「企業参謀」「質問する力」「新・資本論」など。
それらこれまでの大前さんの考えの集大成と言えるのがこの「ザ・プロフェッショナル」であろう。プロフェッショナルとは「感情をコントロールし、理性で行動する人です。専門性の高い知識とスキル、高い倫理観はもとより、例外なき顧客第一主義、あくなき好奇心と向上心、そして、厳格な規律。これらをもれなく兼ね備えた人物」と定義し、
-先見する力
-構想する力
-議論する力
-矛盾に適応する力
というプロフェッショナルに求められる能力について解説している。
その中で私が注目したいのは「先見する力」である。大前さんは21世紀は「非常識と突然変異の時代」と言い、20世紀の常識は通用しないと言い切っている。だからこそ、20世紀の学習をアンラーンし、常識を疑い、既存の知識を捨てることが必要である、と語る。
そして、この”非常識と突然変異”のジャングルを生き抜くためには、気概を持って前人未到の世界に踏み込んでみて、そのジャングルの掟を身を持って学ぶのが一番早い、と言うのである。
戦略論の大家である大前さんが、既存の枠組みを捨て、まずは経験してみろと語りかけているのは注目に値する。しかし、ただ単に飛び込めばよい、とは言わない。ジャングルへの一歩を踏み出す時、想定した仮説を軸足に、しつこく試行錯誤する姿勢、周囲を圧倒するほどの執着力が重要であるというのだ。
飛び込む勇気と武器としての仮説立案力(論理思考)、そして、執着心、これらを持ち合わせることが先見力を高める原動力となるのだろう。
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