某社大手メーカーの入社15年目前後の10数名の方々とお話しする機会を得た。この方々と「問題解決」についてディスカッションをすることとなったのだが非常に学びが多かった。
同社では、問題解決を研修で入社数年目の若手社員に徹底的に教えていこうとしている。
今回のミーティングに参加したある方が言ったことが興味深かった。
それは、「問題解決が仕事で必要ということはよくわかる。しかしながら、問題解決の”型”を教えた結果、”考えない”社員が増えてしまうのではないか、ということを懸念している。昔は、型などなかった。その中でもがきながら考え続けて、自然と問題解決を実践してきた。」
この方のこの意見を聞き、なるほど、と思ったものの、私はやはり”型”は必要であると考えている。
「守・破・離」という言葉がある。武道などで技を身に付ける場合、3つの学びのステップがあると言われる。
第一は、その流派の”型”をまずは徹底的に真似てみて、自分のものにすること。これが”守”である。第二は、その”型”をベースにして創意工夫をしてみる。そして、自分なりのやり方で”型”を使いこなすこと。これが”破”である。第三が、完全に”型”を離れ、オリジナルのやり方を自由自在にこなすこと。これが”離”である。
問題解決のスキルの習得も同じだととらえると、まずは型を徹底的に学んでみるステップが必要である。その上で、自分なりに考えてみて創意工夫をしてみる。そして、自分なりのやり方を作り上げていく、というプロセスが必要になるはずだ。
思考停止に陥ってしまう人は”守”のステップで留まってしまっているのだろう。
本当の意味で問題解決のスキルを身に付けてもらうためには、この”守”だけではなく、”破””離”のステップを促すような仕掛けが必要になるはずだ。