父親の17回忌を迎えた。父の死から16年が経ったということであるが、思えばあっという間の日々であった。
父親の死に直面した10代の自分はまだ人の死というものを理解することができていなかったように思う。周囲の人たちが涙をしている様子を見て涙を流したが、本当の意味で自分が悲しんで涙を流していたかというとそうではなかったように思う。当時の自分は、まだ、父親が戻ってこなくなるという事実を受け止め切れていなかった。
その後の人生の中では、父親がいないということは極々当たり前の現実であった。なので、父親がいないことに対して、大して疑問を持たなかった。その後、人生の様々な局面では、母親や祖父祖母、そして、兄弟が力を合わせて乗り越えてきた。
ただ、折に触れて、墓前に手を合わせて父親に言っていることがある。それは「周りのみんなのために行動をする力を貸してください」ということである。父親の力を借りれれば周りの人の力になることができるのではないか、そんなことを思っていた。(本当に周囲の人のための行動ができているのかというと甚だ疑問は残るが・・・。)
父親がいなくなったあとのこの16年間は、友人や仲間、家族に恵まれてよい日々をおくれてきていると思う。きっとどこかで父親も力を貸してくれていることだろう。
いつか父に会える日があるとうれしい、とそんなことに思い巡らす17回忌であった。
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