本日はグロービス東京校にソニー最高顧問の出井伸之氏をお招きしてセミナーを開催した。名古屋もTV中継を行ったのだがうなずくことが多かった。
その中で私が特に印象深かく感じたのは「経営判断に迷ったら何を見るか?」という質問に対して「担当者の眼です。」と出井さんが答えたところである。担当者の眼が泳いでいて「お前、これやれるか?」という質問に対して即答できなければその計画はNGとしたほうがいい、というのが出井さんの考えである。
全くその通りであると思う。「考える人はこの人、やる人はあの人」という構図ほど間違ったものはないと思う。それでは実行者は本来の力が出ないし、考える人は本当の意味で真剣に考えない。
出井さん自身も、事業部長の際に「私が経営者だったら今のソニーをこのように変えたい」ということをレポートにまとめて当時の社長や副社長に伝えていたそうだ。そして、実際にCEOになりまさに描いた戦略の実行の旗振り役となったそうである。
そんなことを書いていたら、以前出井さんがハーバードビジネスレビューで以下のようなコメントを載せていたことを思い出した。
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「経営者には二種類ある」というのが私の持論です。自らの資金で事業を興した創業経営者と、それを維持発展させる「プロフェッショナル経営者」です。すなわち、プロの経営者とは、自身はサラリーマンであっても、経営者としてのプロフェッショナリズムを発揮することを自覚している人のことなのです。
企業価値を高め、顧客満足度を高め、従業員満足度を高め、企業を発展させる。普遍のマネジメント・モデルを作る。このような良循環をつくり上げることを、職業としてなしうる人のことです。
自分の判断と戦略に基づいて、リスクを負い、透明性保ち、ルール決めて仕事をしていく-「故き温ねて新しきを知る」ではなく、「未来をたずねて、新しきをつくる」のです。
そのようなプロフェッショナル・マネジャーこそ、知識情報社会へ向けて新たな戦略を構築し、それを実践する変革の担い手であると私は確信しています。
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「未来をたずね、新しきをつくる」、それを考え、実行できる人こそが、出井さんの考えるリーダー像なのだろう。
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