話題の「ウェブ進化論」(梅田望夫氏)を読む。我々が今気軽に使っているインターネットの世界のこれまでの進化とこれからの方向性についてわかりやすく解説されている。
私自身、ブログを書いているものの、その背景にある技術について明るいわけではない。それでも手軽に使えるソフトが生まれ誰でも発信ができるような時代になってきている。
そのような時代に至った背景とこれからの変化について予測をしている。その根底に流れる3つの三大潮流として、「インターネット」「チープ革命」「オープンソース」を指摘している。
オープンソースについてはリナックスの事例が有名であるが、この本で紹介されているコレラの話も興味深い。それは以下である。
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貧しくて医療設備が整わない国では相変わらずコレラに苦しめられていた。従来の組織的手法ではこの問題が解決されなかったのだが、ネット上にこの課題が提示されたとたん、わずか数ヶ月の間に、関連分野の様々な領域の見ず知らずのプロフェッショナルたちがネット上で協力し合い、低コストでしかも訓練なしに使える新システムが開発され、その課題は解決してしまったのである。
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課題解決のあり方が根底から変わっていることが伺える。過去は解決策は組織の中のみで生まれていたが、これがネット上という公共の場で生まれていくのである。
また、面白いのはグーグルが興そうとしている変化である。彼らは地球上にあるあらゆる情報を検索できるようにしようとしている。以前紹介したグーグルアースもその一例である。
我々は先の変化を洞察し、その変化の中でどう動けばよいのかを考えていくことが重要である。その意味では、この「ウェブ進化論」はインタネット社会のこれからを見つめていく上で大変参考になる書籍である。
著者である梅田氏がシリコンバレーについてこのように語っていることが印象的であった。
「シリコンバレーにあって日本にないもの。それは、若い世代の創造性や果敢な行動を刺激するオプティミズムに支えられたビジョンである。全く新しい事象を前にして、いくつになっても前向きに面白がり、積極的に未来志向で考え、何か挑戦したいと思う世代を明るく励ます。それがシリコンバレーの「大人の流儀」たるオプティミズムである。」
アメリカ西海岸のカラッと晴れる青空を思い出す言葉であった。
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