本日は、以前私がファシリテーターを担当したキャリアデザインセミナーの参加者の方にお誘いいただき、リッツカールトン日本支社長の高野登さんの講演会に参加する。高野さんといえば、「サービスを超える瞬間」という本を書いていらっしゃる方である。
今回は「世界一のサービスを提供する」ということを目指されているリッツの秘密についてお話いただいた。ただ、秘密といってもお聞きして思ったことは、「実は当たり前のことを徹底的に行っていること」がリッツのすごさなのだということである。
例えば、クレドというリッツの企業理念をまとめたものがある。そのクレドを作っただけではなく、それを毎日唱和する。そして、唱和するだけではなく、毎週2回、クレドにしたがって成功した世界における事例を共有する仕組みができている
。その事例を題材に各現場では議論がされていく。そのような仕組みにより、毎日「クレドにしたがって自分は行動できているか」ということについて自問自答をし、体に染み付いていっているのだ。
また、「お客様の期待を超えるサービスを提供する」ということでも、以前泊まったことがあるお客様ならばデータベースにどのような方でどのようなお好みなのか、これらが全てインプットされている。そのデータベースにアクセスし、以前「パソコンを使われたので部屋の電球を明るいものに交換した」という情報が残っていたら、テーブルに「電球を明るいものに替えておきました。ご入用でなければおっしゃっていください。」というメモとともに電球を替えておく。するとお客様はご本人の全く期待していなかったことなので感動してくれる。
これは従業員がそのような気持ちを持っていると共に、データベースという仕組みによって支えられているのである。
さらには、従業員には2000ドルを使用する決裁権を与えている。それはなぜかというと、もしもお客様にサービスを提供する上でお金がかかることがあって、瞬時に判断しなければならない場合に、従業員に自分で「やります」と言えるだけの支援をしたいから。これも仕組みによって従業員のサービスのサポートをしている。
採用においては、サービスマインド旺盛な人を採用したいと思っているが、これも当たり前のことを当たり前にやっている。例えば、「最近あなたの愛する人を喜ばすためにやったことは何ですか」ということを必ず聞く。するとその人のサービスマインドがわかる。
そのようなプロセスを外部のコンサルティング会社の方々と一緒につくり仕組み化している。仕組みにすることで、イチローのように打率があがっていく。
もちろん、サービスとはヒューマンタッチなものであるから、人間の感性や心情を理解することはリッツにとっては極めて大切なことは間違いない。一方で、それを支える合理的な仕掛けを作ることにもリッツは膨大なエネルギーを使っている。最高のサービスを作っていくためにはその両者を持ち合わせておく必要があるということを再確認した。
>Oさん
お誘いいただきましてありがとうございました!!
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