9月1日は私にとってはグロービスへの入社日なのである。これで私は丸7年をグロービスと共にしているわけだ。この7年で我々を取り巻く環境が変化した。また、私自身も変化している。それを少し振り返ってみたい。
■7年前の思いと今
7年前になぜグロービスに入ったかというと理由は大きく2つある。一つは自分自身がMBA的な知識・スキルを学びたいという欲求があったから。そして、もう一つは、私自身、グロービスでMBAの一部を学んでいて、このような考えは経営やマネジメントを志す人にとっては必要不可欠のスキルになるであろう。だとしたら、それを広めていく活動には意義があるであろうと考えたからである。
後者の方から検証してみると、私が入社した99年当時はMBAというものはまだまだ限られた人しか知らないものであった。もちろん、グロービスという会社はほとんど世の中に知られていなかった。
では今どうなっているか。書店にいくと、グロービスが出版しているMBAシリーズだけではなく、MBAというワードが多く氾濫している。私の周囲を見渡してもMBAを学びに国内外のビジネススクールに通う人が増えている。
そのような現実を見るに、私が当時思っていたことはほぼ予想通りになってきている。そして、おそらく、今後もこのような動きは加速していくだろう。
では、前者はどうか。私はグロービス入社後、グロービス・マネジメント・スクールに通いながら働けるという恵まれた環境にいることができた。そこで、複数の科目を受講しながら、MBAのエッセンスを身に付けることができたと考えている。そして、今では、スクールにおいてはクリティカルシンキングの講師をするまでになっている。
従い、入社当時の思いは二つともかなり実現ができていると考えている。
■8年目を迎えての思い
さて、上記のような当初の目標は達成できたわけであるが、8年目に入り、最近考えていることを披露したい。
一つは”MBAだけでは経営はできない”ということである。至極当たり前のことであるが、あえて申し上げたい。MBAで学べる知識・スキルは確かに経営やマネジメントをしていく上で有用なものは多い。ただし、それで必要十分かというと足りない。では何が必要か。それは人間に対する理解である。
経営・マネジメントは人が介在する。その人のモチベーションを高めていくためには人の心理を押さえなければならない。今私はもっと人間の心理や人間についての理解を深めていく必要性を強く感じている。そのためには心理学や哲学、歴史について学んでいきたいと感じている。
そして、もう一つ実現していきたいと思っているのは、現在自分の時間の大半を投入しているGOL部門において、新しい価値提供のあり方を模索していきたいと考えている。
最近、私が直面しているお客様から、過去と比較すると複雑性の高い要望を得ることが増えている。たとえば、「企業として大切にしなければならない価値観をどのように会社に浸透させていけばよいか」というようなテーマをいただいてそのためのソリューションを考えていくわけだ。
このようなお客様のご要望に応えるためには私自身が一皮も二皮もむけなければならないと感じている。
三つ目のテーマは強い組織を作っていくことである。そのためには私自身が強くならなければならないし、私の所属しているメンバーの力も高めていかなければならない。そのためにでき得る活動をしっかりと重ねていきたい。昔は自己の能力を高めていればよかったわけであるが、今はそれだけではなく、共に働く仲間の能力開発に寄与していこうと考えている。
8年目に入り、多くのチャレンジが待ち受けているが、楽しみながら挑戦していきたい。