イエローハットの鍵山秀三郎氏の「ひとつ拾えば、ひとつだけきれいになる」という本を読み、感銘を受けた。この本は素晴らしい本であり、出来るだけ多くの人に読んでもらいたいと感じている。
鍵山秀三郎氏はイエローハットを創業して以来、数十年間、毎日トイレ掃除をかかさない。また、トイレ掃除だけではなく、会社の周辺の掃除、また、世界各地のトイレの掃除に回っているそうである。
鍵山さん曰く、一見その活動にどれぐらいの意味があるかわからないと思われがちである日々の努力は、必ずしも思ったとおりの成果は生まれないが、その努力の成果は形を変えて必ず報われるとおっしゃっている。
その鍵山さんが自分の人生を振り返って一言で人生を表現すると「凡事徹底」とおっしゃっている。なぜこの「凡事徹底」という言葉が私に響いたかというと、私自身、その凡事を徹底してやりぬくことが弱いと認識しているからである。
いくつか、この書籍で紹介されている鍵山さんの言葉を紹介したい。
・何事を始めるにも、大切なことは、一歩踏み出す勇気。まずこの一歩を踏み出さなければ前に進むことはできません。どんなに優れた考えでも、実行されなければ、栄光の女神も微笑んでくれません。スタートしなければゴールはないのです。よいと思ったことはすぐ行動する。悪いと思ったことはすぐやめる。即行即止。この実行力が人生を左右します。
具体的には足元のゴミを拾う実践から始めることです。ゴミを目にしたら、腰をかがめてサッと拾う。この実践を続けているだけで、気付きに対する直観力が研ぎ澄まされていきます。
・人間は95%は習慣で生きていると言われます。だとするならば、95%で生きている習慣を「良い習慣」に変える。このことが人生よくするを具体的な方法ということになります。
・どんなに才能があっても、傲慢な人は人を幸せにすることはできません。人間としての第一条件はまず謙虚であること。(中略)とかく私達人間は、自分のことを棚にあげて、相手だけを変えようとするものです。しかし、自分の思うように相手を変えようとしても、金輪際変わるものではありません。相手を変えようと願うのであれば、まず自分自身を変えることが先決。
・人の心はそう簡単に磨けるものではありません。ましてや、心を取り出して磨くなどということはできません。心を磨くためには、とりあえず、目の前に見えるものを磨ききれいにする。
・手間暇を省き、結果だけを追い求めてきた、昨今の生活様式が、殺伐とした風潮を生み出している原因ではないでしょうか。(中略)
豊かな暮らしを取り戻すためには、面倒くさがらずに丁寧な生き方を心がける。丁寧な生き方を通じてこそ、強い忍耐力と工夫が生まれ、人と人との絆に血が通う合うという意味だと思います。
・教育とは流れる川の水に文字を書くがごとくむなしいことである。しかし、岸壁に文字を刻む如くやり続けなければならない。(森信三先生の言葉)
いずれの言葉も私自身、できていないことが多く、自らの生き方を省みるためには非常に学びの多い書籍である。
よい本に出合えて感謝。
コメント