私は今は現在グロービス・オーガニゼーション・ラーニング(GOL)という部門に所属している。このGOLは現在大手企業を中心にして年間約250社のクライアント企業を抱え、企業内研修のお手伝いをしている。
我々GOLはMBAのコンテンツに強みを持ち、これまではリーダー育成という分野においての仕事が多かった。しかしながら、近年若手人材向けの育成プログラムのお手伝いをするケースが増えてきている。
そのようなことが起こっている背景は一体何なのか。その点について各社の人材育成担当者の方々と考えていくために「若手人材活性化プログラム」というセミナーを開催し、ファシリテーターを担当した。
その内容を少しだけここで紹介したい。
我々が考えている若手人材の特徴を一言で言い表すと「成長実感を求めている」ということである。
昔は会社へのロイヤリティは自然と生まれていたが、今の若手社員は成長実感を感じさせてくれる会社に対して高いロイヤリティを感じるという傾向がある。逆に言えば、成長を実感できない会社には長くいたいとは思わず、入社して3年で3割が退社するという事実もあるように、第二新卒で転職をしてしまう。
一方で、職場では、顧客ニーズの変化の加速化、ビジネスのグローバル化、雇用形態の多様化などで、仕事そのものの難易度は高くなっている。また、マネジャーは成果を出すことに汲々としていて若手を育てていくことができていない。そのため、OJTは名ばかりで形骸化してしまっている。
その結果、成長実感を感じたいと思っている若手社員の望みは叶えられず、成長を感じられないまま、目の前のルーティンワークを回す日々に追われてしまっている。
そのような現実を乗り越えて成長をするために、若手社員と言えども積極的に人材育成投資を行っていき、OFF-JTで徹底的に鍛えていこうという会社が増えてきている。
このようなことをお話し、当日のセミナーではさらに実際に取り組んでいる先進的な2社の事例をご紹介した。各社の人材育成担当者の方々も問題意識が高く、非常に活発な意見交換が行われていた。
これからもおそらくますますこのような領域の仕事が増えていくだろう。そのようなクライアント企業のお力になれるよう、引き続き知見を蓄えてきたいと考えている。
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