今日は東京で研修である。研修と言っても私が教えるのではなく、私自身が学ぶクラスである。
研修のテーマはメディアトレーニングである。メディアトレーニングという分野はアメリカにおいて70年代に生まれた。メディアを通じてどのように自分の考えを伝えていくかということが研究がなされ政治において活用されてきたが、90年代以降、ビジネス界でも取り入れるところが増えてきている。
今回は、この分野では世界的にも有名な会社の日本支社長に講師を担当いただき、1日参加することになった。なぜ私が参加することになったかと言うと、私も少しずつメディアからの取材を受けるケースが増えてきている。今年1年間を振り返ってみると雑誌やネット系媒体の取材をあわせると5件の取材を受けてきた。メディアという特性を理解した上で、記者の方に自分の伝えたいことを適切に伝える方法について学ぶ必要性が生まれてきているからである。
進め方は体験型である。実際にメディアからのインタビューを1対1で受け、その様子をビデオでレビューし、どこがよいのか、どこが課題かを具体的に指摘いただき、それを繰り返していく。そのため多くの人を集めて実施することはできず、今回の対象者は5名のみである。
講師に指摘いただいた私の良さは、経験談をベースに語るため実感を持って記者に伝わり共感を生み出すことができているところ。一方で課題は、相手の質問に答えようとするあまり、本来伝えるべきことがぼやけてしまい伝えきれないところ、という指摘を受けた。
これまでの取材を振り返ると、広報に言われてその場に言って聞かれたことを丁寧に答えるというスタンスであったが、そもそも自分が何を伝えたいのか、それをどのように伝えるか、ということへの意識が足りなかったと反省している。
それ以外にも大変多くの学びをいただいたのだが、そのうち、一番印象的だったことを共有したい。
講師は多くの日本企業で同様のメディアトレーニングを行い、また、グローバルなネットワークを通じて、メディアを通じたコミュニケーションについて精通しているわけだが、最近”アメリカ的な対立軸を作り出すコミュニケーションに対する限界”を感じているという話である。そのようなコミュニケーションスタイルでは共感を生み出すことができなくなってきているということである。
なので、同社では最近アニミズムや日本的な”和”、仏教について研究をし、新しいコミュニケーションのあり方を模索しているということであった。
その話を聞きながら、外と内、敵と味方、強みと弱み、良い・悪い、という対立軸を超えて発想することの必要性を感じた。”対立”や”競争”という概念を超えて”融和”や”共創”をベースに物事を考えていくべき時代に入ってきているのではないか、ということを考えていた。このテーマについてはこれからも掘り下げていきたい。
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