会社の合宿で1泊2日で小田原に向かった。グロービスではこの合宿をリトリートと称し、拠点や事業部を超えたメンバーが集い、会社の将来や組織文化について語り合う場として毎年設けている。私はグロービスにも8年近く所属しているので少なくとも8回は参加していることになる。
今回は「EQ~こころの知能指数~」を題材に議論をしたのであるが、今回のリトリートを通じて、改めて再認識したのは「組織内のつながりの大切さ」である。
EQ本の中に以下のような一説がある。「ベル研究員の花形研究員は、仕事上重要な人々との間に親密なネットワークを維持している。大ピンチに遭遇したときに即席の問題解決チームや危機管理チームの一員になってもらわなければならない人々との良好な人間関係を保つように心がけている」ということだ。
ちょうど今読んでいる「トヨタ製品開発システム」においてもプリウスのチーフエンジニア(CE)の内山田竹志氏がCEに選ばれた条件として、「彼は研究畑出身で、21世紀の車向けの新技術を開発するためにトヨタの研究部門との太いパイプがあった。(また、)彼はトヨタの組織を熟知していて、通常とは違う(プリウスのような型破りの)プロジェクトに必要な資源を入手する方法を知っていた。」ということが挙げられている。
つまり成果を生み出す人は、フォーマル+インフォーマルな日々の活動を通じて、組織内にネットワークが張り巡らされているのである。
これを組織作りの視点から考えると、一人ひとりの社員に成果を生み出してもらうためには、組織に属する社員に「縦横斜めのつながり」を生み出すような場を提供していく必要が生まれる。しかしながら、今多くの組織では、組織内のつながりは過去と比較して相対的に低下していると言われる。中途採用マーケットが拡大していく中で、それをブレイクスルーさせていくことが組織マネジメント上、ますます重要になってきている。
今回開催したリトリートもそれが一つの目的である。自分自身の過去を振り返ってみても、名古屋オフィスを立ち上げるという仕事をアサインされた際には、リトリートを通じて知り合っていた東京の方々、他部門の方々に助けていただいた。
組織がますます大きくなっていく中で、このような「組織内のつながり」を生み出していくことの大切さを再認識している。また、グロービスは、社員だけではなく、講師の方々、受講生の方々等の外部の方にも多数価値創造に貢献いただいている。そのような方々ともさらに深い「つながり」を生み出していくことが次の成長への道に違いないと考えている。
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