この留学を経て一番感じたことは、グロービスのビジョンに対する強い共感である。グロービスに入社して9年近くなるのだがが、改めて代表である堀がHBSを卒業しグロービスを立ち上げる際に掲げられたビジョン、そして、アジアNo.1のビジネススクールを創る、ということの意義・意味をこの2ヶ月弱の留学を通じて再認識させられることとなった。
これは留学前には想定していなかったことだったが、大きな収穫となった。それができたのは、一冊の本が影響している。
留学期間中の息抜きの時間はINSEADの創業のころの歴史をまとめた本を読んでいた。
そして、INSEADが一人のDoriotというフランス人の思いからスタートし、最初は何もない中で、でも共感する仲間を少しずつ広げていき、建設的な、そして、時には厳しい議論をしながら、あるべき姿を模索していったことが見えてきた。一日一日、一年一年、改善しながら、今の姿ができあがってきたということがよくわかったきたのだ。
INSEADの留学期間中、INSEADへの強い誇りをFacultyやスタッフが持っていること、そして、現状を常に良くしようとVoice Of Customerを意識して一歩一歩改善していく姿勢が見て取れた。これは、INSEADの出自が日々の行動に現れているのだろうと思いながら眺めていた。
また、INSEADはヨーロッパが各国が独立して存在していた時代から、統一に向かう過程の中で、うまく時流を捉えてInternationalなビジネススクールというポジショニングを創り上げていったことも書かれていた。
今、このキャンパスを見渡してみると、広大な森の一角にキャンパスとレジデンスを構え、そこには世界各国から集う面々が、グローバル経済の中でのあるべき経営とは何か、多様な人を率いる上でのリーダーシップとは何か、ということを日々議論する場になっている。
そして、ヨーロッパだけではなく、世界からも高い評価を得るビジネススクールとなり、今ではシンガポールにもキャンパスを構えるまでになっている。
翻って私が所属するグロービスを考えてみると、代表堀の思いからスタートして、今ではビジネススクール、企業内研修、ベンチャーキャピタルで日本においては一定の評価を得るまでなっている。
INSEADはグロービスと同じく一人の思いからスタートし、今では世界有数のビジネススクールになっている。いつかグロービスもINSEADに匹敵するような存在になれたらずごい、そういう場を創りたいと思う自分を発見した。
今回の留学での一番の収穫は、INSEADというモデルを題材にして、グロービスのより具体的な将来イメージを得ることができたこと、であると思う。
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