スティーブ・ジョブスと言えば、言わずと知れたアップルコンピューターの創業者だ。そのジョブス氏がスタンフォード大学の卒業式でスピーチをした内容がインターネットで公開されている。グロービスの全社員が入っている社内メーリングリストwaigayaで紹介され、存在を知ることになった。
ジョブス氏は大きく3つのことを語っているが、いずれも非常に大切なことだと思っている。特に3つめの話「死を近くに感じる」ということは私自身も結構考えることだ。実は私の父親は私が中学生のころに亡くなっている。その死を目の当たりにして「死」の存在、そして、「死」ということが突然訪れること、を強烈に印象付けられた。それ以来、自分の残り時間を感じながら行動しようと考えている。
以下にサマーリー翻訳をまとめたので、ご興味のある方はぜひお読みください。
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卒業おめでとう。今日は3つの話をしたい。たった3つだけだ。
■「点」をつなぐこと
私は大学が人生を生きる上で役立つかどうかわからなかったし、学費も高かったので、大学を辞めることにした。当時は不安であったが、今ではそれが人生最良の決断であったと言うことができる。辞めて時間があったから大学の興味のある「カリグラフィ(英語の美しい書体の技術体系)」のクラスに潜り込んだ。実はそれが10年後、マックを開発したときに大いに役立てることができた。大学を辞めたときはこの二つの点がつながるとは思っていなかった。ひとつひとつの「点」が皆さんの将来になんらかの形でつながっていくのだということを信じてほしい。この生き方が私を裏切ったことは一度もない。
■失敗と愛情
アップルを4千人の会社に育てた。しかし、役員と考えが食い違い会社から放り出されることになった。最初は落ち込んだ。でも、この業界でチャレンジしていきたいという思い、仕事への愛情は変わらなかった。そして、ネクスト、ピクサー(アニメ製作会社)という会社を立ち上げた。そして、アップルがネクストを買収することになり、アップルに戻ることになった。そして、その過程で今の妻にも出会う。
いずれもアップルを辞めさせられなければすべて起こらなかったことである。それらは自分がこの仕事を愛しているから起こったことであった。仕事は人生のうちかなりの時間を使う。その仕事を愛せるようになってほしい。すばらしい仕事をする唯一の方法はやる仕事を愛することなのだから。
■死を感じる
17才のとき、「毎日を人生最後の日であるように生きればいつか正しい結果が出る」という文書を読んで感銘を受けた。私は「死が直前にある」ということを考えることは重要な決断をする際には有効であると思う。羞恥心やプライドなどが小さなことであると実感できるからだ。みんな裸なのだ。1年前にガンを患った。私が最も死に近づいた瞬間であるが、それ以来この言葉をはっきりと皆さんに伝えることができる。
みんな死に近づいているのだ。あなた方の時間は限られている。他人の人生を生きて時間を無駄にするな。他人の意見に自身の内なる声をかき消されないように。自分の心と直感に従う勇気を持てほしい。
■まとめ
70年代「The Whole Earth Catalog」というすばらしい雑誌があった。その最終号に「Stay hungry, stay foolish」と書かれていた。それを読んで以来、私は「どん欲であり続けろ。愚かであり続けろ」といつもそう願い続けてきた。卒業する皆さんもそうあってほしいと思う。Thank you.
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英語ですが原文をお読みしたい人はこちら!
Stay Hungry. Stay Foolish.
投稿情報: masa | 2005-09-12 09:55