先日のMOTセミナーでもご登場いただいたローランドベルガーの遠藤さんが書かれた「見える化 -強い企業をつくる見える仕組み」を読んだ。
「見える化」という言葉を生み出したのはトヨタ自動車である。トヨタでは生産においては「目で見る管理」といい、計画、進捗状況、結果などが一目瞭然にされる。もちろん、トヨタにおいて生産現場だけ「見える化」の意識が働いているわけではない。ホワイトカラーの仕事においても「可視化」することが推進されている。
遠藤さんは「現場力が組織としての問題解決能力であるとすると、まずその第一歩は問題を発見する、もしくは問題を設定することにあるはずだ。そのために、「見える化」というコンセプトが生まれてきたのである」という。
最近では、KPIという言葉もかなり世の中に普及しつつある。KPIとはKey Performance Indicatorsの略である。企業経営において、重要な指標を抽出して、そのKPIを定期的にチェックしている。異常値が出ればそのKPIの変化の原因を探る、というように使われる。
これも経営状態を「見える化」し、すばやく問題解決をするための仕掛けである。
企業経営において、また、現場のマネジメントにおいても「見える化」というコンセプトは非常に重要である。この本は、そのコンセプトのポイントとともに多くの事例を紹介してくれている。
前著「現場力を鍛える」もそうであるが、遠藤さんの本は平易な言葉を使いながら、非常にわかりやすく経営のコンセプトが説明されている。しかしながら、内容が軽いわけではなく、経営の幹として存在すべき考え方が骨太に書かれている。
「見える化」、意識していきたい。
同じような本を読んでいますね。
投稿情報: 本のソムリエ | 2005-11-24 21:45