一時期本を読むペースが落ちていたが最近ペースが上がってきている。面白い本に出会っているからであろうか。
今回ご紹介するのは「「個」を見つめるダイアローグ」という本で、これは村上龍氏と伊藤穣一氏の対談である。
村上龍氏については説明の必要はないと思うが、伊藤穣一氏については説明がいるだろう(と言っても面識はないが)。デジタルガレージの共同創業者であり、ネオテニーのCEOである。また、私が使っているこのブログを運営しているシックスアパートの会長でもある。
この本は二人の対談をまとめたものであるが、かなり脱線しながら展開されている。
その中で私が好きだった件は以下のところである。
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村上:僕も一人でキューバに行って、すごいバンドを見つけたりすると、「日本に呼んだほうがいいんじゃないか」と思って、彼らと契約するわけ。もちろん、自分一人しかいなから、自分で契約するんだけど、契約自体は簡単なの。別に、それで稼ごうとも思っていない。でも、そうやって自分で動いて日本につれてきて、バンドの演奏で何百人か、何千人かの人がワーッと喜ぶとすごくうれいんだよ。「これはすごい」「みんなに見せてやりたい」と思った気持ちがそこで報われるから。
実は小説も同じなんだよ。こういうことを考えたら、これをみんなに知らせた方がいいかな、という思いが、執筆活動のコアになっている。
伊藤:ただ、自分で喜びを感じるだろうと思っていても、やっぱり自分にはできないと二の足を踏む人もいるでしょう。
村上:たしかに、そういう人はいる。でも僕は、不思議の国のアリスが壁をパッと通り抜けるみたいに、実は簡単なものだと思う。
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考えてみると、名古屋オフィスの立ち上げという仕事を通じて、自分が感じたことを伝えたら面白いんじゃないか、というのが文章を書き始めるきっかけであった。そして、GMS NOWというメルマガに連載をさせてもらったことが、このブログの起源である。
その当時を思い返してみると「これって面白いでしょ!」っていうことを伝えたい子供の気持ちのようなものであった。このような「ワーイ」という感情や思いを、ついつい我々は忙しい中で忘れてしまうが、上のエピソードを読んでいて、そういう気持ちを仕事の原動力にしていきたいと感じた。
その”ワーイ”の原動力があるからこそ、
-合理的な考えを持つこと
-自立的にあること
-グローバルにつながること
というこの本で書かれている「今の日本において大切にすべき点」が生かされてくるはずである。
ワーイ、である。
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