最近はじめたのだが提案書作成の基本プロセスを若手のメンバーの方々と共有するようにしてみた。若手のメンバーは自由に作りたいという思いもあるであろうが、あえて基本プロセスを踏むように指導をするようにした。
その効果が最近徐々に発揮されつつある。昔ならば、「井上さん、どこから考えていいかよくわからないんですが?」というように非常に漠然とした質問しか出てこなかった。しかしながら、基本プロセスを共有したことによって、若手のメンバーの方が「このステップのここがわからないんです」というような質問が出るようになってきた。
その結果、コミュニケーションが円滑に進み、少しずつではあるが仕事の効率性が上がっている。
では、自分自身の成長の過程はどうだったのだろうと振り返ってみた。自分の場合は、ほとんど教わることはなく、盗んできたのが実態である。
他の人が書いた提案書は必ず見るようにしていたし、過去のデータや書類にもできるだけ目を通していた。そして、お客さまのニーズに応じ、必要なものを脳内検索をして切り貼りし、足りないところは自分でゼロから作る。そんなことをやっていく過程で徐々によい提案書の書き方をマスターしていった。
今の若手の方はそのような過程を踏まずに、基本プロセスは教えてもらうことができるので間違いなく私と比べると成長のスピードは速いだろう。
一方で、このブログを書いていて思い出した将棋の羽生さんの言葉があった。それは「ウェブ進化論」で書かれていたのだが、おおよそ以下のような言葉である。
「最近の若手はインターネットができて、セミプロレベルまで高速道路に乗ったように一気に来てしまう。でも、その先で渋滞しているんです。」
将棋でも、提案書作りでも、知識レベルで到達できるのはセミプロレベルなのだろう。本当のプロフェッショナルとはそのようなモノを突き抜けた世界にあるんだということを考えさせられるコメントである。
若手とともにガチンコで議論をすることを通じて、渋滞を乗り越えて、プロフェッショナルの領域に共に入っていきたいと思う。
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