「起業家の本質」という書籍を読む。
この本の解説は先日上場を果たしたネットエイジの西川さんが書いている。ネットエイジさんはグロービスのVC部門が投資をし、つい先日上場を果たした。グロービス代表の堀もブログでその件について触れている。
私は西川さんが書いた「起業は楽しい!」という本で西川さんの考えに触れ、ワクワクしたことを思い出しながら、解説を読み終えた。
この「起業家の本質」では起業家が直面する困難への対処法が著者の経験談をもとに説明されている。
その中で考えさせられたのは”自由”についてである。著者であるウィルソン・ハーレル氏は「起業家を突き動かすものは何か?」という問いに対して「自由」と答えている。
「起業家精神を刺激するものは、自由への欲求です。自分自身でいられる自由、大衆から抜きん出る自由、アイディアを思いつき、そのアイディアを事業に変え、できるならその会社を帝国にしてしまう自由です。」と語る。
さらに以下のように語り掛けている。
「あなたのところで働いている人たちは、みんな自由に対する飽くなことのない欲求を持っていることを忘れてはなりません。みんな起業家精神を持っているのです。誰かがその炎に水を差すことがないようにしてください。(中略)
そして、頭のいい誰かが考え出した方法によって会社に縛られているのではなく、みんなが自ら望んで会社にいるようにすることです。」
そして、著者は日本には起業家精神が生み出されない風土があると指摘している。このコメントを読み、そんなことはないと反論の気持ちが湧きつつも、今の日本の多くの企業では、会社に入ってみると個人の自由以上に、組織のルールが優先されるようになってしまう傾向があることが思い出された。
以前から申し上げているが、理想は会社と個人は対等であるべきであると私は考えているが、現状の日本企業の多くはまだまだそうはなりきれていない。
人は自由に自分がやりたいことに取り組んでいるときこそ、最も力を発揮することができるという考えを持っているが、現実にはそれを組織的に担保しようという試みはまだまだ少ない。
安藤忠雄氏は「自由を奪うものに対して、個人が自分の職業を持って抵抗することこそが、真に豊かな社会をつくっていくのだという信念のもと、今まで社会と、そして自分自身と闘い続けてきた。」 と述べている。まさに起業家精神を表す言葉である。
この「起業家の本質」を読み、自分のやるべきことは「私自身が自由を得るために目の前の現実を変え続けていくことである」ということを決意させられた。
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