10月末からフランスに入り、今はパリから約1時間のところにあるフォンテーヌブローに来ている。なぜかというとINSEADのInternatinal Executive Programmeに参加するためである。グロービスの中で短期留学制度というものがあり、それを利用しての参加である。
実はブログをなかなか更新できなかったのは、この留学の準備等で忙しかったためであった。もちろんこちらに来ても忙しい日々が続いているのだが、少しずつこちらの模様を書き連ねていきたい。
■プログラム概要・参加者
今週からIEP(Internatinal Ececutive Programme)がスタートした。このIEPはINSEADのエグゼクティブプログラムの中で、期間としてももっとも長い(約6weeks)。IEPは1970年代から行っているそうで、累計の参加者は数え切れないとのこと。
今回の参加者は24名です。前回は66名、その前は50名以上だったということで今回はかなり人数が絞り込まれたそう。金融危機の影響もあるのであろう。ちなみに、30名を超えた場合は、全体で行うクラスと、クラスを2つに分けて進めるクラスもあるそうだ。そのあたりは臨機応変にやっているとのこと。
参加国はオランダ、フランス、ドイツ、ノルウェー、ベルギー、ロシア、カナダ、南アフリカ、オーストラリア、シンガポール、ブラジル、日本。女性は、4名、そのうち3名はロシア人。MBAホルダーも数名いる。
アメリカ人の参加者は今回に限らず少ないそうだ。それ自体をプログラムディレクターはかなり強調している。言い方としては、ここは真のインターナショナルな世界なんだ、アメリカのBSにいくと60-70%はアメリカ人、それってインターナショナルって言える??ってな感じ。
INSEADは「The Business School for the World」をバリュープロポジションと置き、他の大学との差別化を目指しているとのこと。
所属の会社はシティーバンク、アストラゼネカ、バイエル、ディズニー、キャドバリー、ノボ、IPG(広告)等、メジャーカンパニーが多い。面白どころではシンガポール国防省等。
■プログラム内容
既に1週間を経たのだが、盛りだくさんの内容だが、うまく設計がなされている。その点を簡単にまとめると以下のように整理できる。
・コンセプトを下敷きにした一貫したプログラム
初日はイントロで概要を説明したり、INSEAD全体を案内してくれたり、基本的な情報のインプットがあり、その後、全体のコンセプトを説明された。
そのコンセプトはGeneral Managerの役割は、
-Value Proposition
-Value Delivery
-Value Capture
の3つをCustmerに向けて効果的・効率的に行うこと。そして、それらを包括する戦略と組織文化を作り上げることであり、それらを実現するための枠組みを学ぶのがIEPの目的である、という説明がなされた。
話されて内容自体は当たり前の話なのだが、IEPの優れいている点は、インストラクションシート(シラバス)も基本的にはこのコンセプトに統合された文言で書かれていたり、今のところ出てきているすべてのファカルティーが上記のコンセプトを下敷きにおきながら解説をしていく等、一貫したメッセージを伝えようという努力が細かくなされているところ。
従い、受講している立場としては、地図の中でどこにいるのかがハッキリとわかってとてもわかりやすい。
・参加者をどんどん巻き込んでいく
受講生を徐々に巻き込んでいくここまでの展開はすばらしい。
お互いを知るということでは、自己紹介を行った後に、MYERS-BRIGGSを行いそれぞれの特徴を共有する。私は感性系の人間でクラスの中では完全にマイナーな存在であることがわかった。海外の人も自分の特徴を再認識して結構楽しんで参加している。
そして、初日の夜はウェルカムディナー。ここで大体みんな緊張が解けていく。
2日目には、さらにハーバードで作成したキャリア診断テストをみんなで行い、同じ特徴の人を集めて議論をする。ちなみに私はHighというカテゴリーで「チャレンジングなアサインメント好き、お金よりも刺激を求めるタイプ」となった。それによって互いの特徴をつかんでいく。
そして、2日目夜にはビールやワインを1、2杯飲んだ上でこのコミュニティーのValueとBehaviorを全員で決め、それを教室の良く見えるところに貼って共有する。
さらに、今週はアウトドア研修(Outward BoundというNPOと提携して実施)があったり、パリウォークというオリエンテーリングのようなもので仲良くさせていったり、仕掛けがしっかりとなされている。
既に昔から知っている仲間のような状態となっている
・Personal Development Plan
さらに面白いのが、このPDPというもの。どういうものかというと、このPDPは「キャリアゴール、そのための開発課題、開発課題をIEPでどう改善するか、そのための具体行動は何か」ということをパワポにまとめるのが事前課題として渡されている。
そして、その作成したPDPを4人のチームが編成され、そのメンバーに共有し、互いにコーチをしろ、という指示がある。(もちろん、コーチングとは何かの説明はあった上で)
このコーチングセッションは通常のセッションとは違う時間でやれ、という指示なので、大体ランチか晩飯に集まってやることになる。それによってお互いの具体的なキャリア上の悩みをシェアして、一気に距離が近くなっていく。
また、互いが互いの責任を負っているという意識もあるので、ことあるごとに、「今回のセッションの学びはあなたにはこんな風にいかせるんではないか」なんてアドバイスをされてたりするのだ。
ここはもっと英語能力が高ければみんなに的確なアドバイスをできるのに、と忸怩たる思いもあるのですが、今のところ精一杯やっているところ。
そのほかにも書きたいことが山ほどあるが、少しずつ書き連ねていきたい。