こちらは雪が降る日もあり、かなり寒い日が続いている。
IEPもいよいよ最終週に入ったが、日々忙しい。今週の目玉はシュミレーションゲーム。ゲームと言っても本格的で経営会議さながらに議論をしながら進められていく。それ以外は最終週となり、オフィスに戻ることを意識されたプログラムが用意されていた。
・Re-Entry
職場に戻る際に気をつけるべきことをレクチャーするためのセッションが用意されていた。クラスでは実際に取り扱ったのは1.5時間ぐらいだったがが、なかなか興味深かった。
INSEADが作成した記事をもとに、エグゼクティブ教育を受けて、職場に戻ってすぐに大きく会社を変えようとして失敗するマネジャーと、上司との期待がすりあわないまま会社を辞めていくマネジャーを題材にして、職場に戻ったら我々が何を気をつけなければならないのか、ということがレクチャーされた。
ポイントは、
-大きな変革は小さな一歩から
-やりたいことリストだけではなくやらないことリストを作れ
-本当に情熱を傾けられるものを探し続けろ
といった意識系に訴えるメッセージ中心だったが、もう帰る日が近づいている我々は熱心にメモを取っている。
・SIGMA(シュミレーションゲーム)
今週の目玉はシュミレーションゲーム。とある国に進出した企業がトレーディング会社からメーカーに変遷していく過程がテーマとなっている。
このシュミレーションゲームだけで3日間が費やされる。まず、6チームに別れ、ミッション、ビジョン、戦略、役割分担を決めていく。
6チームのビジョンや戦略は似てくるのかと思いきや、低価格路線でいくチーム、品質重視でいくチーム、BtoBビジネスに入るチーム等、それぞれの戦略が独自性があって面白い。
わがチームは、品質・価格はリーズナブルなポジショニングを取り、企業イメージを高めながらマーケットにうまく入っていくことを目指してスタート。
毎日、2~3回の意思決定を行うのだが、意思決定を行うたびに、市場の反応、競合の動き、財務データ、などが渡され、それをまた分析して、次の意思決定を行う、ということを繰り返していく。
当然時間が限られた中、複雑な情報を分析しながら、次の意思決定に追われていく。
このゲームは非常に良く出来ていて、例えば、価格カルテル共謀が発覚したりすると、企業イメージが悪化して売上に響くという細かな設定がなされている。これは事前に知らされておらず、我々ではないチームが価格を合わせて市場に出したところ、それが発覚してダメージを受けていた。
そして、一日が終わると意思決定そのものと、議論の過程を振り返り、それぞれ各人が何が足りなかったのか、納得していないことはないか、ということを振り返っていった。
この過程は個人的には非常に大変。グループの中での議論がかなり錯綜しヒートアップしていく。とくに我々のチームはマーケッティングが本業の製薬メーカーのGMと電力会社のファイナンスのVPがいて、この二人が議論が熱くなると止まらない。
私としては、タイムマネジメントを意識しながら、冷静な判断に持ち込むように、自分の意見を投げかけていった。ただ、その隙がなく、時間もなくなってしまう、ということもあり、自分の英語力の足りなさに悔しさを感じる瞬間もあった。
我々のチームの結果は、最初は低迷し、倒産寸前までいったのだが、そこから挽回し、我々が主力製品として位置づけていた製品ではトップシェアを獲得、総合成績では3位で、チームの面々としては非常にうれしい結果であった。
この成績だけではなく、全体を振り返りインターナショナルなチームでの活動からの学びをプレゼンを行った。我々からは、
-Language of fun bridges differences in communication between cultures
-The reflection time in team was very useful in creating clarity and alignment around intentions and behaviour
-Heated discussions never prevented the team to reach consensus in a respectful way
ということを全体に伝えた。個人としても、それぞれ多様な経験を持った面々との議論を経験できて非常によい機会となった。
・全体の振り返り
最後のクラスのタイトルは「IEP: Key Ideas, Insights and Actions」というもので、約3時間ぐらいをかけて、これまで学んできたクラスでのTake awayを振り返っていく。
約30分ぐらいかけて、これまで学んできた22の科目についての"My Insights"を振り返りシートを埋めていく。そして、丁寧に一つずつクラス全体で共有していきながら、必要に応じて、プログラムディレクターのFacultyからコメントを付け加えていく。
これまでを振り返り、それをしっかりと定着化させようという試みで非常に効果的であると感じた。
そして、最後はプログラムディレクターと話していたのだが、「一人ひとりのInsightは違っていい。そして、違うのが当たり前。大切なのはInsightをActionに変えること。」ということを言っていたが、まさにその通りだと思う。
こうして、すべてのプログラムを無事終えることとなった。