グロービス・マネジメント・スクールでマーケティングや経営戦略を教えている松林講師が翻訳している「すごい考え方」を読む。
同書の原題は「High Performance OS」である。著者であるハワード氏はパソコンのOS(Operating System)がアプリケーションソフトを動かすための根幹として存在しているように、人間にも、行動や感情、思考を司るOSが存在すると考える。
そして、そのOSを「ふつうの考え方(OS)」から「すごい考え方(OS)」へとバージョンアップするための方法について解説している。
そのうち、いくつか学びのあった点について以下にまとめる。
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■未来語を使おう
現実にとらわれず、未来の”可能性”に焦点を当てた言葉を使う。何が可能だろう?「と問いかけ、考えることが未来語の基本。例えば、
・この部屋は大きい。⇒この部屋を区分けしてスペースを有効活用しよう。
というように可能性を考えることで、創造的で新しい世界を開くことができる。
■よい雰囲気を作ろう
よい雰囲気は高いパフォーマンスにつながる。今の雰囲気をしっかり認識すること。そして、それが望ましくないものであれば変えていくこと。
雰囲気作りのカギとなるのは、意識的な話し方と聞き方である。相手の立場を十分に考えた話し方と聞き方は、ポジティブな雰囲気を作り出す。
■長期のビジョンを作る
3人の労働者がいた。3人とも同じような仕事をしている。一人に「どのような仕事をしているの?」と聞くと、
「レンガを積んでいるのです。」
と答えた。2番目の人に聞くと、
「塀を作っているのです。」
と答える。最後の人に聞くと、
「大聖堂を作っているのです。」
と笑みを浮かべながら答えた。同じ作業をしているにも関わらず、内面の充足感や満足感には天と地ほどの差が生まれていくのだ。
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特によい雰囲気を作る、ということは非常に大切なことであると考えている。しかしながら、忙しさやプレッシャーの中で、よい雰囲気を作ることの難しさを感じている今日この頃である。それだけに、読んでいてわが身を振り返り、反省されられた。
同書では、それ以外にもビジョンを実現させていくために具体的に何をするとよいのか、ということを細かく紹介して学びの大きい書であった。