3月末が年度末の会社は多い。年度末が近づいてくると転勤のご挨拶をいただくことが増える。転勤の話を聞くたびに思い出す言葉がある。それは、
「Control your destiny, or someone else will do.」
という言葉である。これはGEの前CEOであるジャック・ウェルチの言葉である。これは、「自分の運命は自分で決めないと、他のだれかにコントロールされてしまうよ。」という意味である。
社会人になって会社に入り、転勤という概念自体に疑問を持った。
なぜ、会社が人の住む場所を決めるのだろう? なんで行きたくないのに社員はそれを黙って受け入れるのだろう(そんな場面に直面した)? 社員の方がそれに納得し、自分から「行きます」と主体的に言ったならいいと思うのだが、どうも組織側が一方的に決めているということに対して違和感を感じた。それによって個人もモチベーションが高まらず結果として組織のパフォーマンスも上がらないのではないかと考えていた。
しかしながら、企業のあるべき姿もトップダウン型のピラミッド組織から、少しずつボトムアップ型のフラット組織への移行が始まっている。ピラミッド組織がいいとか、フラット組織がいいといったような議論は置いておいて、いずれにしても私の望んでいる「個人と組織が対等に語り合える社会」が近づいていることは間違いない。
さて、冒頭の言葉に戻るのだが、この言葉に出会ったのは私が新入社員のときである。グロービスが主催するキャリアビジョンセミナーでファシリテーターである方から教えてもらった言葉である。
当時の私にとっては新鮮だった。そして、「なるほど確かにその通り。そのような気概を持って生きていこう。」、そう思ったわけである。それ以来、できる限り自分の人生のハンドルは自分で持とう、と意識してきた。
今どう思っているかというと、全てがすべて自分で決められるとは思っていない。自分ではどうにもできないような大きな波が人生にあることは、この10年ほどの経験で身にしみて感じている。
ただし、自分で自分のハンドルを持とうと思っていなかったら、それに流されるだけである。自分の運命を自ら切り開くんだという気概を持ち一所懸命もがくこと、それをやり続けることを通じて初めて自分の人生が見えてくるのではないか、と思う。
もがき続けよう。
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