書籍、「経営者になる、経営者を育てる」を読んだ。同書はボストンコンサルティンググループのヴァイスプレジデントである菅野さんという方が書いている。
同書のメインメッセージは「経営者には科学系スキルだけではなくアート系スキルが必要」ということである。もちろん、グロービスで提供しているような科学系スキル、すなわち「マネジメント知識」や「ロジカルシンキング」の必要性は訴えているが、それ以上にアート系スキルの重要性について語りかけている。
アート系スキルについては、
-強烈な意思
-勇気
-インサイト
-しつこさ
-ソフトな統率力
という5つにブレイクダウンして、個々について詳しく紹介している。
最近のビジネス書では、「30才からの成長戦略」も、訴えていることは似ている。
両者の書籍で提示している考え方のうち、MBA的スキルについての考え方をシンプルに言ってしまうと「MBA的スキルは経営者になるための必要条件でしかなく、十分条件ではない」ということである。マネジメント知識やロジカルシンキングは知っていて当たり前、できて当たり前、それだけでは差別化はできないということだ。
思えば、私がグロービスに転職する際に「マネジメントを志す人すべてはMBA的なスキルが必須になる」と考え転職を決意したことを思い出す。99年の出来事だ。あれから6年、環境も変わったがその当時の予測は間違っていなかった。逆に想像以上にその進みは速いと感じるぐらいである。
マネジメント知識やロジカルシンキングが前提だとすると、それがない人はできるだけ早く学ぶ必要がある。では、それらを学んだ人には何が必要なのか。その中で一番大切なものはおそらく「情熱」なのではないか、と考えている。
「経営者になる、経営者を育てる」の中にも情熱について書かれているところがある。その中でソニー会長の出井さんのコメントが出ていたので、ここで共有したい。
「経営者に何が必要かと聞かれば、まずは事業や企業に対する情熱だね。それがないと社員も惹きつけられないし、困難も乗り切れない」
個人としては、冷静な頭と情熱をバランスよく持てる人間になりたいと思う。